VARIOUS ARTISTS『SEX:TOO FAST TO LIVE TOO YOUNG TO DIE』
前回、別冊ele-king『パンク50周年記念号――それは何だったのか、何でありえるのか』を紹介したが、ジェイミー・リードが作ったセックス・ピストルズのジャケット等のデザインもパンクが後々まで伝わった要因であると思う。『パンク50周年〜』にも書いてあったけど10年位前ユニクロ(とかGU)でシングル「Anarchy In The UK」のプロモーションで使われた'Ripped-up Union Jack'や「God Save The Queen」のジャケットで使われた'Blind Queen'のTシャツが販売されたとき、この過激と言われたデザインがもはやウォーホルのシルクスクリーンと同様にポップ・アートになったことに少なからず驚いた(買ったけど)。それにヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンがモラルやタブーに挑戦したデザインの服も後世へ伝わったひとつの要因だろう。ヴィヴィアンとマルコムの服を販売していたブティック『SEX』が『セディショナリーズ』(=煽動者たち)に改名しパンクファッションの震源地となったのも1976年だった。
右上の画像はブティック『SEX』の店内に置かれていたジュークボックスの内容を再現したコンピレーションCD『SEX:TOO FAST TO LIVE TOO YOUNG TO DIE』でフレイミン・グルーヴィーズやヴィンス・テイラー、モダン・ラヴァーズなどの曲を20曲収録、この『SEX』ではピストルズ結成のためにジョニー・ロットンのヴォーカル・オーディションがおこなわれ、その時にジュークボックスの音楽に合わせて歌ったアリス・クーパーの「Eighteen」も収録されている。
ジャケット写真で入り口に立っているのは『SEX』の店員ジョーダンことパメラ・ルーク。クリッシー・ハインドも一時期店員だった。グレン・マトロックも土曜日に働いていた。スティーヴ・ジョーンズはこの店に入り浸っていたし、ロットンもこの店で服を購入していた。ホワイト・スエードのブローセル・クリーパーズを探していたジョニー・ロットンは「バンドメンバーに会うならこの靴をあげてもいいよ」というマルコムの言葉に誘われスティーヴ・ジョーンズらと会い、オーディションを受けることになる。
ブティック『SEX』のジュークボックス(CDブックレットより)
店名が『SEX』から『セディショナリーズ』に変わり、店内は改装されてジュークボックスやソファは撤去され、居心地の良さは失われ、集えるような場所ではなくなったとスティーヴ・ジョーンズは自伝で回想している。

