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OMNIBUS a Go Go Vol.29『TOKYO TRASHVILLE!』

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オーストラリアのAu Go Go Recordsから1994年にリリースされた日本のガレージ・パンクをコンパイルしたオムニバス。Au Go GoはBig Black、Sonic Youth等のアメリカのバンドや日本のthe 5.6.7.8'sのシングルやアルバムもリリースしている。 1990年代になり日本ではガレージ・パンク・バンド達が精力的に活動、このCDがリリースされた頃には、このアルバムに収録されているバンドの多くが積極的に海外ツアーをおこなっていた。 SupersnazzはLAのバンドXの「Year 1」、Guinny VampsはThe Sonicsの「He's Waitin'」、 TeengenerateはオーストリアのバンドEastern Darkの「Johnny & Dee Dee」、Great MongooseはThe Excelsの「Let's Dance」、Jackie & The CedricsはThe Belairsの「Squad Car」、MAD3は中東メロディのサーフ・インスト「Ali Baba」(というか「Baha-ree-ba!」?)、the 5.6.7.8'sはスリーキャッツ「キーキャーシャウト」とカバーバージョンが多いながら、選曲の妙と各バンドの味付けが楽しめる。 そんな中Gutitar Wolf、Texaco Leatherman、Mutant Monster Beach Party、Muddy Frankensteinがオリジナル曲を収録。こちらも各バンドそれぞれ魅力的なガレージ・パンクチューンだが、Muddy Frankensteinの「Chocolate」はギターのカッティングがザクザク刻むカッコイイ・ガレージナンバー。でも途中でフェイドアウト?短くて残念。 ロッキン・ジェリービーンによる、東京タワーに絡むイラストのジャケットもセクシーだ。

OMNIBUS a Go Go Vol.28『CINDERELLA V.A I HATE DANCE ...WHY?』

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bloodthirsty butchers、eastern youth、D.M.B.Q、God's Guts、Naht、foul等、北海道ゆかりのアーティストが多数参加したオムニバスで1996年のリリース。プロデュースはブッチャーズの吉村秀樹とコーパスグラインダーズのゼロ。イラストレーター寺田克也のオリジナルストーリーをブックレットに掲載。まぁ内容はシンデレラ復讐劇の他愛ないものだが、描写はそれなりに過激。ジャケットにずらり並んでいる首は参加しているバンドメンバーらしい…。 Supersnazz(ココのギタリストもfrom札幌だった)の軽快な「Let Me Know」で始まり、D.M.B.Qのヘヴィ・サイキック・ナンバー「V-neck sweater」、繊細ながらもハードな音を紡ぐGod's Guts「Mud Boat」、Nahtの捻れながらもポップな「Nature」、ポストパンクなfoul「dark on you」、 ロウなサウンドのU.G.MAN「I Spy」、哀愁を感じさせるpaume「won't roam」、凶暴な音塊のCopass Grinderz「Bitch! Bitch! Bitch!」、eastern youthはアルバム『孤立無援の花』に再録される「扉」、など聴き所は多い。 ブッチャーズの『kocorono・完全盤』がリリースされるまでは、このオムニバスでしか聴けなかった「january」。イントロのギターストロークはジョン・レノンの「マザー」のイントロの鐘をイメージしたという。取り返しのつかない喪失感はレノンの曲と共通しているか。

OMNIBUS a Go Go Vol.27『RETURN OF GUITAR LIGHTNIN' HORROR SMILIN'』

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Vol.24で紹介したオムニバス『Guitar Lightnin' Horror Smilin'』の第二弾で1996年のリリース。 個人的にはLucy Van Pelt。「Red Bycycle」と「彼と彼女の事情」の2曲を収録。 ルーシーを初めて聴いたのは10インチのアナログ盤だった。キュートなジャケと10インチというフォーマットに惹かれて手に取ったのだが、これがズバリだった(5曲入EPだが良い曲ばかり)。その10インチ『advantage lucy』にも再録収録されている「Red Bycicle」は、このオムニバスではベースレスで、エレキ、アコギ、ドラムとアイコの歌声による素朴なバージョン。でもルーシーのやりたい事、伝えたい事が詰まっている気がする 初期の代表作。 「彼と彼女の事情」はテンションコードを使用したコード感や、ギターの石坂とアイコのかけ合いボーカルが楽しめる曲。ベースを入れたバンド・バージョンで再録はしていないのかな。クラウドベリー・ジャムみたいなカッコいい曲に仕上がると思うけど。 他にはアコーディオンとエレクトリック・ビートの融合が気持ちいい「289」を収録したblueberry, very blue(後にGOD'S POPから出たアルバムもよかった)や、 “ギターライトニン”というよりはエレクトロニカなYoung Brian's Group、ファンキーかつヴァイオレントなズボンズ、 ギターポップなペンギンノイズ、キャッチーな「GOING OUT」を収録したWINO、ラウドだが浮遊感のあるギターロックを聴かせるTHE PRIMROSEの全7バンド、各2曲が収録されている。

ROUTE66「時間」

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2011年6月6日発表のアルバム『BREAKING GENERATION』より。 OMNIBUS a Go Go Vol.5で紹介した『OUTSIDER』に収録されていたバンド、ROUTE66の単独CDがリリースされた。快挙だ。『OUTSIDER』収録の1982年8月17日渋谷EGGMANのライブ2曲の他、同年7月7日新宿ACBのライブを6曲、同年3月渋谷EGGMANのライブが7曲の全15曲。プロモ用(?)のライブ演奏映像が4曲収録されたDVD付き。 カセット録音と思われる7月7日のライブはあまり音質が良くないが、3月のエッグマンのライブはバランスも良く非常に聴き易い(たぶんライン録音なのでは)。スカビートでドライブする「エゴイズム」や泣きのメロディ「ラスト・ヒロイン」など、ポップでメロディアスだが甘ったるくない、シャープでパンキッシュな演奏が満載だ。 スピーディなロックンロール中心の収録曲の中でも異色ともいえるミディアムナンバー「時間」は、ライブならではの荒さはあるものの、練られた構成/展開やコーラスワークが良い出来だ。“時間の中で生きている自分達を見つめ直していこう...” と訴える、これまで過ごした時、今を生きる時、という“時間”をテーマに取り上げた意欲作ともいえる。 2011年6月22日にROUTE66のラストライブ(1982年9月29日新宿JAM)を収録したCD『LAST GIG』がリリース、2011年7月30日には下北沢SHELTERで復活GIGがおこなわれる。 このCDをリリースした(株)YOUTHの社長のブログはこちら。 渋谷ではたらくパンク社長の告白

THE TIMERS「原発賛成音頭」

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観客を巻き込んでいく居心地の悪さはさすが...。 “お前らよくやるよな、ほんとにな” 

遠藤ミチロウ「原発ブルース」

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 “菅首相は自身と、原発の再稼働を図る海江田万里経済産業相との立場は異なるのではないかとの質問に、 「安全性が確認された原発を順次再稼働させてほしいというのは、全く同じ思いだ」と応じた” …安全神話ふたたび。

斉藤和義「ずっとウソだった」

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“海江田経産相は18日記者会見し、原子力発電の重要性を強調するとともに、今後、 定期検査などで停止している原発の再稼動を立地自治体に要請していく意志を明らかにした。” …まだ終ってないだろ。

OMNIBUS a Go Go Vol.26『LEMONed』

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ZEPPET STOREというバンドを紹介したい為にX-Japanのギタリストであったhideがレモネード・レーベルを立ち上げ、1996年にメジャーのMCAビクターからリリースした名詞代わりの1枚。X...と聞けば私的にはL.A.のバンドを思い出すが、X(Japan)のスラッシュメタルなファーストシングル「I'll Kill You」は、死体ジャケとともに印象に残っている(hideはまだ加入していないけど)。 1994年にUnder Flowerレコードから1stアルバム『Swing,Slide,Sandpit』をリリースしていたZEPPET STOREは、歌詞は全て英語詞、サウンドはグランジ、シューゲイザー、マッドチェスターからの影響を受けながらも、優れた楽曲作成と演奏力で独自の世界を創り上げていた。その『Swing~』を聴いたhideが気に入ってこのコンピのリリースとなる。 収録されているZEPPET STOREの2曲「FLAKE」、「ANGEL WILL COME」は海外でリリースされた2ndアルバム『716』にも収録された。「FLAKE」はリズムアレンジ、ダビングされた各ギターのアレンジ、そしてバンド全体のアンサンブルが素晴らしく、少し気怠い感じのボーカルが“Don't Change The Color of Life / Make My Dream Come True~”と歌うところが 最高にドリーミー。 「ANGEL WILL COME」はアコギとキーボードのシンプルなバックにのせて歌われる美しい曲。 ここでは英語詞で“Angel”という単語は出てこないが、メジャーデビュー後にリリースされた2ndシングル「TO BE FREE」のカップリングには、「天使がきます~ANGEL WILL COME~」というタイトルで“天使がとつぜん舞い降りて~”という一節を含む日本語詞のバージョンが収録されている。 ZEPPET STOREはインディの1st、インポートの2nd、メジャーデビューアルバム『CUE』、この3作は好きなアルバム。 hideはポップでノイジーな「BACTERIA」に「限界破裂」の2曲。他にはpre-school改名のもとになった?VINYL(元ストロベリー.フィールズの福井祥史と元黒夢の鈴木新)の「BE」、 hideとともにこのアル...

OMNIBUS a Go Go Vol.25『FAR EAST HARDCORE』

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SLAM RECORDSより1995年にリリースされたハードコア・オムニバス(制作はGOD'S POPレコードのようだ)。『NEW YORK CITY HARDCORE』を模したジャケット・アート、『NEW YORK~』の裏ジャケはCBGBに集まるオーディエンスだったが、 こちらは新宿LOFT(西口にあった時の)。10バンドほぼ2曲~3曲ずつ、全21曲収録。この時代の趨勢というかハードコアといってもショート&ファスト!といったスタイルだけじゃなくヘヴィ&ラウドでミクスチャー、ミドルテンポもあり。 BLIND JUSTICE名義のENVYは、1stアルバム『Breathing And Dying In This Place...』に再録された「You Have A Voice」が収録されている。もう1曲は「In The Middle of The Rage」。2曲ともハードコアにスクリームヴォイス。痺れるサウンド。 ショートチューンが小気味好い京都のBRICKBUTT、大阪からはWrestlin Crime MasterとTJ MAXX。千葉からはSWITCH STYLE、ツインボーカルでユーモラスな歌詞のヌンチャク「マラダイス」1曲のみ。 仙台のHALF LIFEはACCUSEDのカバー「Wrong Side of The Grave」と、もう1曲は対照的なヘヴィチューン「Change My Life」。地方性も豊かだ。 その他、現在はtoeで活躍している山嵜廣和が在籍していたSMELLING CUNTS、ヘヴィ・ミクスチャーのWRENCH、ファッションブランドDEVILOCKのディレクター遠藤憲昭が在籍していたGMFを収録。

OMNIBUS a Go Go Vol.24『GUITAR LIGHTNIN' HORROR SMILIN'』

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1990年代前~中期、ブリットポップ、というよりもブラーとオアシスというイギリス2大バンドの活躍から、 アメリカではニルヴァーナを初めとするグランジと呼ばれた轟音勢から、グリーンデイなどのメロコア・ポップパンク勢から、 日本のアーティスト/バンド達は少なからず影響を受けたであろう。そんな状況下、GOD'S POPレコードのansaphoneレーベルから1995年10月にリリースされたギター・バンド・オムニバスで、8バンド2曲ずつ収録されている。 もちろんロックンロールの初期からギターを中心にしたバンドは普遍的なものだ。ここに納められたパンドがどれだけ前途の影響下にあったのかわからないが、捻れたギターポップのVINYL(後のpre-school)はブラーに通じるものを感じさせるし、Shortcut Miffy!はTeenage Funclubに通じるポップさとメロディを聴かせてくれる(1曲はVelvet Underground「Sunday Morning」のカバーだ)。歌詞に全篇英語を使用するバンドが多くなったのも特徴的か。収録バンド中5バンドが英語詞。 このアルバム発表当時、単独作としてはカセットのみだったPEALOUTの2曲「FEEL」、「SUICIDE IN YOUTH」。USハードコア~グランジを通過した轟音でありながらセンシティヴなギターサウンドを聴かせてくれる。「SUICIDE IN~」はこの直ぐ後にリリースされたデビュー・アナログシングルのカップリング曲となった。 この他、リラックスしたギターポップのFOLKFLAT、フォーキーな味わいを持つPORTABLE SOUND STAR等を収録。

OMNIBUS a Go Go Vol.23『SPIRITS OF 1993 SHIMOKITAZAWA YANEURA 7th ANNIVERSARY』

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下北沢のライブハウス屋根裏が7周年を記念して制作したアルバムで1993年リリース。 1993年当時の屋根裏を代表するバンドが集められ、6バンドが収録された。やはりアベフトシ加入前、ギターに志賀ケイイチ在籍時のTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのスタジオテイク3曲が聴けるのが嬉しい。 ミッシェルを聴いたのはメジャーデビューアルバム『Cult Grass Stars』が出て直ぐ友人に薦められて聴いたのが最初だが、アベフトシの切っ先鋭く、しかしアタックが強く潰れて音圧のあるギターやニューウェイブを通過してなおかつガレージパンク色の濃いアレンジも印象に残った。その少し後にライブがTV放送されたのを見て、やはりカッコイイバンドだなと思ったものだ。確か3枚目のアルバムが出た頃、このオムニバスを手に入れて初期のミッシェルを聴いたのだが、メジャー後と違って素朴というか幾分埃っぽく、パブロック直系の音に面白みを憶えた。THE INMATESやTHE COUNT BISHOPSなんかを感じさせる音だった。たとえばクラッシュの後に101'ersを聴いた感じと言えばよいかな…。 シャッフルリズムの「400円の一人旅」が気持ちイイが、“400円のキップ”ってそのままじゃないよな。気管支炎にキクくすり片手に一人とりっぷ? 他にM・E・Xの清涼感のあるナンバー「SHADOW」と力強い「虹の彼方」、RUDE MODEのファンキーな「Mamalade Sky」、SSEからも音源を出していたサイキックな演奏のREAL BIRTHDAY、コミカルなびっくりしたなもう、歌謡ポップのマーブルダイヤモンドを収録。

OMNIBUS a Go Go Vol.22『TOKYO FLASHBACK 2』

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HIGH RISEの曲名「Psychedelic Speed Freaks」から命名されたP.S.Fレコードのサイケデリック・サンプラーCD第2弾で1992年リリース。 灰野敬二と共演HIGH RISE、インディーの頃のゆらゆら帝国、ジャックス「マリアンヌ」のアヴァンギャルド・カバーの不失者、HIGH RISEや不失者のメンバーも参加していた狼の時間、等11バンドを収録。なかでもWHITE HEAVEN「Silver Current」は繰り返し聴いた曲だ。 WHITE HEAVENを聴いたのは、このサンプラーが初めてだった。低音が響き、フレーズが美しいベース(志村浩二)と、シンプルでいてメリハリのあるドラミング(石原謙)のリズム隊に、切れ味あるカッティング、パッキングフレーズ、時にパワフル、時にメランコリックなギターソロを聴かせてくれるギター(中村宗一郎)で、サイケデリックなグルーヴを生み出す。野性と妖艶な響き(ジム・モリソンの様だ)を兼ね備えたボーカル(石原洋)が歌うメロディも素晴らしい。この曲はWHITE HEAVENの2ndアルバム『Strange Bedfellow』にもアレンジを変えて収録されている。こちらもベースのフレーズを前面に、ジャジー&ムードのある仕上がり。 この時期は初期~1stアルバム『OUT』録音時のギタリスト栗原ミチオが不在で、 ベースに志村が加入、中村はベースからギターに変わった時期だが、その変化がバンドの魅力を引き出すことに成功していると思う。WHITE HEAVENのアルバムは1st『OUT』を除き入手困難で再発が待たれる。

OMNIBUS a Go Go Vol.21『TASTE OF WILD WEST 3』

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“西部無法地帯の味”と題された関西地方のノイズ系コンピレーションでシリーズ3作目。1990年、徳間ジャパンからリリースされた。 タイトルはアルケミーからリリースされたLP『WEST PSYCHEDELIA』や1988年8月大阪エッグプラントでおこなわれたライブ“WALK ON WILD WEST”を収録した『WEST PSYCHEDELIA 2』の流れをくむものだ。 山塚アイ・Unrimited Freak Out or Dieの正にワイルドな演奏や、ユーモラスかつキケンなボアダムズ、そのボアダムズにも在籍した山本精一・思い出波止場のフリーキーな楽曲、インキャパシタンツの不安感を増す音響、ソルマニアのハイパーに捻れた演奏、このコンピのオーガナイザーでもあるJOJO広重率いるキングオブノイズ・非常階段の27分に及ぶノイズと絶叫...と物凄い無法地帯ぶりだが、轟音、雑音、騒音、爆音、奇声と怒号、唸り、叫び声の狭間に、ひっそりと静かに、しかし色彩豊かに咲いたエンジェリン・ヘヴィ・シロップの演奏がとても魅力的だ。 表情豊かなベース、多彩なリズムを刻むドラムス、澄んだ音とノイジーな音を使い分けるギター、透明感のある歌声・スキャット、それらが一体となり、SEで水の音を使用しているからか、音で水面に波紋を描いているような印象を与える「Crazy Blues」は、エンジェリン・ヘヴィ・シロップとしての初レコーディング曲。アレンジは多面的だ。 エンジェリンは板倉峰子(Vo&B)、中尾峰(G)、マンドレイクヨウコ(Ds)により1989年に結成され、このコンピに1曲を提供した後、1991年にファーストアルバムをリリースした。アメリカ・カリフォルニアの“Subeterranean Records”からリリースされたエンジェリンのファーストアルバムには、この「Crazy Blues」がボーナストラックとして収録されている。 アルケミーレコードHP内 JOJO広重こころの歌・最後の歌 第99回 には、再発されたAngel'in Heavy Syrupのベスト盤をJOJO広重が推薦している。このベスト盤には『TASTE OF WILD WEST』収録とはバージョン違いの「Crazy Bules」(セカンドアルバムからの選曲)が収録されている。

OMNIBUS a Go Go Vol.20『TECHNOLOID』

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副題を“JAPANESE 80's NEW WAVE SAMPLER”、日本でもっとも80'sニューウェイブな漫画家の一人といっても良い江口寿史のイラストによるジャケットで徳間ジャパンから2006年にリリースされたコンピレーション。監修はいぬん堂で『Impossible!』の姉妹編といってもいいかも。 オープニングはPLASTICS「PATE」でシングル「GOOD」のB面曲。緊張感&焦燥感あふれる演奏にボーカルはHOT&COOL!。ゲルニカ「戒厳令」デモトラックは元々8 1/2の曲。ゲルニカの『IN MEMORIA FUTURI』に収録トラックだが、このBOXは現在入手不可・再発希望。 ヒカシュー「プヨプヨ」のライブバージョン(ベストアルバム『ヒカシュースーパー』収録曲)迫力あり。GATE BALLによるクラフトワークのカバー「THE MODEL」(ヒカシューもカバーしてた)はユニーク。SHAMPOO「Tonight」はシングルA面曲。ストロベリースィッチブレイドの先駆けサウンドと言ってもいい感じだ。 8 1/2の曲をリメイクMUSCLE BEAT「Bed-Room Queen」は「暗いところへ」タイプの曲だが、ハードなアレンジになり際どさが薄まった気がする。 8 1/2は「踊れない」を収録。8 1/2をここまでプッシュするいぬん堂から『メモアール』再発してくれないものか。 このコンピで初めて聴いた尾道の女の子バンドGROOPY「かさをさしてライトで照らして」は、1985年PICNIC RECORDSからリリースの6曲入り8インチ『I LOVE YOU』から。これ全部聴きたいなぁ。DIE OWAN「さびた組曲」もこのコンピで初めて聴いた。EP-4「5・21」はソノシートから収録。

OMNIBUS a Go Go Vol.19『IMPOSSIBLES!』

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1980年代日本のロック再評価ということもあって、2000年代に入り作られた様々な80'sコンピレーションのうちの1枚。『REBEL STREET』シリーズから続くジャパニーズ・パンク・ニューウェイブ・コンピの歴史を持つ徳間ジャパンから2002年にリリースされたコンピレーションで、監修は“いぬん堂”。収録されたアーティストも徳間・WAXに限らず選ばれている。 平沢進プロデュースで1982年に徳間音工からリリースされた足立真理と折茂昌美のユニット、SHAMPOOのデビューシングルB面曲「ストック」収録がうれしい。シュールかつテクノかつパンキーな曲だ。アーント・サリー「ローレライ」は1974年4月30日京大西部講堂のライブで 『LIVE 1978-1979』リリース時のディスクユニオン限定特典カセットから。フールズ「わけなんかないさ」は80'sコンピなのに収録時期は1990年12月だが名古屋ハックフィンの未発表ライブテープからで、パブロッキンなバッキング・ギター&グルーヴィーな演奏に痺れる。ヤプーズ「フリートーキング」(ハルメンズのカバー)はクラブチッタ川崎1988年12月2日のライブテープから収録。 他には近田春夫、野元貴子(ガールズ/Pinups)等のGATE BALLによるキンクスのカバー「You Really Got Me」には脱力。突然ダンボール「くそまみれ」は突段の3枚組アルバム『アイ・ラブ・ラブ』(OZ Discリリース)で初めて聴いた時は突段にもこんなパンクチューンがあるのか、とびっくりした。久保田真吾、泉水敏郎、ブラボー小松等のバンドMUSCLE BEATによる8 1/2のリメイク「暗いところへ」(『東京ニュー・ウェイブ '79』に8 1/2のライブ・トラックが収録されていた)は、グラム!で “ゲットイットオン” な仕上がり。 SHAMPOOは今も折茂昌美がKCという男性と共に活動を続けており、2011年5月にはアルバム『BLIZZARD DRIVE』がリリース。 SHAMPOO HP この後もテイチク系インペリアルからは雑誌DOLLの相川和義監修でCD4枚組『Get The Punk』(2003年)、ビクターからはCD2枚組で『爆裂!ニュー・ウェイヴ1980』(2006年)など80'sジャパニーズ・パンク・ニューウェイ...

OMNIBUS a Go Go Vol.18『MINT SOUND GREATEST HITS VOLUME 1』

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8 1/2のギタリストだった小森敏明が設立したミントサウンドレコードの音源を集めたコンピレーション。 テイチクの “DISCOVER TOKYO POP 80's” シリーズの1枚として1995年11月にリリースされた。 やはりミントサウンドからリリースだった『Attack of...Mushroom People』からの音源が多いが、ミントサウンド最初(1984年12月発表)の作品で泉水敏郎のソロ『Life Style』から既にソロデビューしていた戸川純をボーカルにフューチャーしたコケテッィシュな「リズム運動」、 ミント第2弾リリースだった8 1/2から「少年たち」、THE HIPPY HIPPY SHAKESの1st.アルバムに収録されていたスパイダースのカバー「Mera Mera」、『Mint Sound X'mas Album』に収録されていたブラボー小松&戸川京子「White Christmas」やYoung Odeon(小西康陽)「サンタが町にやって来る」などが聴き所か。 ミントサウンドレコードのリリース群は MINT SOUND RECORDS にカタログがある。 “DISCOVER TOKYO POP 80's”シリーズはその後『MINT SOUND GREATEST HITS VOLUME 2』やガールフレンズレコードのコンピ『AMUSEMENT PARK』、BOXレコードのコンピ(スクリーン、タイツ、久保田真吾など)、メトロファルスの初期音源集、8 1/2『メモアール』等をリリースした。

OMNIBUS a Go Go Vol.17『ALCHEMISM』

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アルケミーレコードが1984年~1987年にリリースした音源と未発表テイクを収録したCDで、 1979年頃のライブ発掘音源作品から当時新録として発表された非常階段の音源までアルケミーの歴史をダイジェスト。 リリース(おそらく1988年)はヴァクセルバルクからだった。 ウルトラ・ビデ『THE ORIGINAL ULTRA BIDE』から「やくざなコミューン」、SS『THE ORIGINAL SS』から「Coca Cola」と「Blitzkrieg Bop」、INU『牛若丸~』セカンドプレスに付属していたソノシートから「キヌガサ」といった初期アルケミー3作品収録曲の他、スターリン脱退後非常階段に参加していた頃制作された杉山晋太郎ソロアルバムから幻想的で美しいタイトルトラック「NEWTON’S OBLIGE」、関西勢に混じって爆音超速キラーチューンHIGH RISE「Psychedelic Speed Freaks」(85年にアルケミーがリリースしたLP『錬金術』と同テイクか?)、名古屋のTHE 原爆オナニーズ「No No Boy」など。 それらに加えて、アウシュビッツ「Train Kept A Rollin'」や赤痢「Ore No Doji」のライブテイク、ハナタラシ結成時の未発表テイク、非常階段は “幻の” 13枚限定シングル(というのがあったのかどうかは不明)が収録されている。 ヴァクセルバルクからは『ALCHEMISM 2』が、2004年にはインペリアルからアルケミー20周年記念盤『ALCHEMISM - ALCHEMY RECORDS 20TH. ANNIVERSARY TWIN BEST COLLECTION』という編集盤もリリースされた。

OMNIBUS a Go Go Vol.16『REVENGE OF WECHSELBALG』

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1987年3月15日リリース。 1984年~1987年にヴァクセルバルグがリリースした音源のダイジェストといってよい内容。 SADIE SADS「Angora」、NUBILE「S.T.T.E.P」、SODOM「Breaking Glass」、AUTO MOD「Cannibal of Love」、G-SCHMITT「LSD」といったシングルの曲、これらバンド(SODOMを除く)のアルバムからの曲がちりばめられ、G-SCHMITT「Bulerias」、「Disaster」の別バージョン、SADIE SADSの未発表だった「Trick」が収録されている。他にジュネの劇団Baji Worktheaterや女性スリーピースユニットSARASVATI、謎(?)のN.I.L.A.の曲を収録。NUBILE「Tranceyse」は次のシングルから先行して収録された。 レーベル主宰の宮部知彦による “ヴァクセルバルクの復讐” 宣言とも思えるライナーノーツ掲載。そこで “画一的な集団を形成するつもりは無かった” と書かれているが、多彩なリズム/ビートにエレクトロニクスを駆使して彩られた、耽美的な情景・音の造形を作り上げている点では共通していると感じられる。 このオムニバス・アルバムがインディーズ初のCDリリースだった。 安価で、技術的にも比較的制作し易いソノシートやカセットテープ、シングル盤といったメディアからの移行が始まった。

OMNIBUS a Go Go Vol.15『SOME GIRLS ~REBEL STREET Ⅳ~』

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1987年4月25日リリース。REBEL STREETシリーズの第4弾はGirlグループ、またはボーカルが女性のバンド・アーティストを集めたオムニバス。 プロデュースは前作『JUMPING JAM』に続いて柏木省三だった。リリース当時MID80'sのニューウェイブ色が濃いが、ハードロック・グループも収録している。 発売に先立って4月1日~3日には新宿ロフトで発売記念ライブがおこなわれ、VIGRIN ROCKS、蟻プロジェクト、葛生千夏、BARBARA、RITAN、 CLAN、麝香猫、STILLが出演した。 DATE OF BIRTHの前身MIND CONTROL名義のエキゾチックな「赤いエナメル」、そのDATE OF BIRTHがバックアップしていたNANA(インディーのアイドル的な 売り出し方だった)の「ガラスの涙」、ZELDAのオリジナルメンバーでギタリストだったヨーコのCLAN「FALLEN' ANGEL」、GIRLS~ピンナップスのRITA(野元貴子)のRITANはギターのダビングにのって囁くようなボーカルを聴かせる。 THE COMESのチトセ率いるVIRGIN ROCKS「HEY!」。サウンドはハードロック化。 最初期の蟻プロジェクト、日の丸ファクトリー(ゲーム音楽を作っていた模様)の打ち込みサウンドも良いし、恒松正敏プロデュースから離れサウンドが変化しキュートでポップなSTILL「彼女はアドバルーン」もコケティッシュな魅力。麝香猫は近頃沢田研二のツアーにも参加しているGRACE(Chiho Hayashi)がドラムだった。葛生千夏のエドガー・アラン・ポーの詩に曲をつけた「ANNABRL LEE§2」は、1分27秒と短い曲だが演奏(彼女自身)歌声ともに荘厳な響き。素晴らしい。他MENS、BARBARAを収録。

OMNIBUS a Go Go Vol.14『別天地』

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1986年6月リリース。再発CDのライナーによると、エピックソニーのディレクターが“YEN”(アルファ)や“ノンスタンダード”(テイチク)の ような先鋭的な新人を紹介するためのレーベルを作ろう、と企画されたオムニバス・アルバムということだ(結局レーベルは実現しなかった)。DATE OF BIRTH(重藤功)、UPLM(バナナ)、YOUNG ODEON(小西康陽)、KILLING TIME(板倉文)、SCREEN(和久井光司)の5バンド(クリエイター) が収録されている。 1980年代、EP-4や原マスミ等のアルバムへの参加で異彩を放っていたバナナ(川嶋BANANA)の尖ったサウンドが聴ける「CELL」で幕を開ける。バナナは他に「HEAVEN LINE」を収録。 先のVol.10で紹介した『くっついて安心』のプロデューサーだった板倉文のKILLING TIMEは、 斉藤ネコ、福岡ユタカ参加、低音パーカションが気持ちいい「EBRIO」と、作詞・ボーカルに太田裕美をフューチャーした「ルナチコ」。ピチカートVを1984年末に始動していた小西康陽はYOUNG ODEON名義でPLASTICS~MELONの中西俊夫をフューチャーした「新パゾリーニ」と、市川崑監督映画と同タイトルで、性急かつ緊張感を持った「黒い十人の女」。どちらも映画絡みのタイトル。 個人的にはDATE OF BIRTH。 ポートレイトからの10インチ盤と1986年8月のメジャー・デビュー12インチ『思い出の瞳』の間に録音された参加曲は2曲。どちらも素晴らしい出来上がり。 「AROUND AROUND」はポートレイト盤のオープニング・ナンバー「PACK MY BAG」の再演(タイトルを変更している)で、アコースティックな部分が若干強調されているか。今のところこのバージョンはこのアルバムでしか聴く事が出来ない。「KING OF WALZ」はコラージュなどをちりばめた曲で、映画音楽ともいえそうな曲。ティム・バートンの映画に似合いそう。 ビートルズ「Being for the Benefit of Mr. Kite!」を彷彿とさせる。こちらはベスト盤『KING OF WALTZ』に収録されている。そのベスト盤のライナー(重藤功)によると 既に“QUEEN OF WALZ”は出来上がっている、という事だったが...。 ア...