『Twin Peaks The Return』 episode 8 「Gotta light ?」 Pic from CD『Twin Peaks・Limited Event Series Soundtrack』ブックレット JULY 16, 1945 WHITE SANDS, NEW MEXICO 5:29AM(MWT) TRINITY TEST Detonation of the first nuclear weapon.
1983年11月30日、ワーナー/アトランティックよりリリースのアルバム『狼少年 wolf boy』より。 森田童子の訃報。 4月24日に心不全で死去。65歳だった。 前にも書いたが森田童子の音楽を初めて聴いたのは1983年か1984年頃、大学に通っていたT君が下宿していたアパートだった。友人の何人かで泊まりに行ったのだが、近くの吉野家で牛丼を買って夕飯を済ませ、宮崎駿・作の漫画『風の谷のナウシカ』を読んだりしながら、T君が聴かせてくれたのが森田童子の『マザー・スカイ』だった。青空の下で砕け散る十字架という印象的なジャケット、深く染み入る楽曲、ルックスと歌声のギャップは衝撃だったなぁ。 弱さ、孤独、悲しさ、絶望がそのまま歌になっている。励ましとか希望を歌にしているんじゃない。だけどその言葉が、歌詞が彼女の声によって歌われると仄かな優しさとぬくもりを感じとることができる。結晶化した悲しさを、炭化した絶望を歌っていても森田童子の歌には鎮痛剤のような作用・効能がある。 森田童子は“東京に生まれ学園闘争で高校を中退、1972年友人の死をきっかけに自作の歌を歌い始めた” とロフト創設者の平野悠著『ライヴハウス「ロフト」青春記』に記載されている(出身や歌い始めたきっかけや学生運動の関わりには諸説あるようだ)。そして1975年10月“私にここで歌わせてください”と西荻窪ロフトを訪ねて来たという記述がある。 『ROCK IS LOFT』のスケジュールを見ると西荻の1976年3月~1977年6月までほぼ月いちで森田童子の名前があり、1976年10月に新宿ロフトがオープンしてからは新宿ロフトのスケジュールにも名前が出てくるようになる。途中ライヴ休止時期もあったようだが、1983年12月までロフトの常連だった。ラストライヴは新宿ロフト1983年12月25日、26日の2DAYSだった。引退の告知等何もなかったという。 「球根栽培の唄」は森田童子の1983年リリースのラスト・アルバム『狼少年 wolf boy』に収録されている。オリジナル・アナログ盤には歌詞カードは付属せず、丸尾末広の漫画と森田童子の写真が印刷された2つ折りのリーフレットが封入されていた。1975年リリースのファーストアルバム『グッドバイ』と比べると随分とアレンジも多彩になっている印象のアルバムだ。そんな中でも「球根栽培の唄...
2018年6月3日、Soapland recordsよりリリースのアルバム『The Music Goes On』より。 大江慎也、久々にソロ名義でのCDリリース。前ソロ作『The Greatest Music』が2006年だから12年振りか…。音源としては、2016年の金原千恵子関連の企画アルバム『WITH』参加、金原千恵子 WITH 大江慎也 塚本功名義の7インチ「Rosie(The Minimalize Remix) c/w Rosie(7inch Mix Version)」リリース以来になる。 “音楽は続く”と題されたアルバムは、花田のCDやDVDのリリースもしているGALLERY SOAPが運営しているSoapland recordsからのリリースで、2018年2月25日、GALLERY SOAPで行われたライヴの模様を収録。ディストーションを効かせたエレクトリック・ギターとヒート・アップした大江のヴォーカルによる弾き語りライヴだ。ギターは出来ればもう少しナチュラルなトーンで聴きたい…全体的に…個人的には…。 「Rosie」、「One More Kiss」、「Case of Insanity」、「Go Fuck」、「Good Dreams」、「Venus」等ルースターズ時代の代表曲の数々に『The Greatest Music』からの「何処に行こうか」、「Go For The Party」、「I Dream」、2012年頃書かれたオリジナル曲「Why Does The Sun(Rough Blues)」、2013年ルースターズの京都のステージでも演奏していたJohn Hiattのカヴァー「Riding With The King」など全16曲を収録している。 ラストに収録されている「恋をしようよ」では、大江が“ここで聴いたことのないブルースを1曲…”と言って演奏を始める。 ルースターズのオリジナルはハイ・スピードのロックンロールだが、ゆっくり、スピードを落としたスロー・ブルースとして歌われているのが新鮮だ。大江のヴォーカルも渋みを感じさせる。だけど、最後は結局スピード・アップして “やりたいだけ!” ジャケット・フォトは大江本人によるもので、なかなか雰囲気のある仕上がり。 2018.6.11追記: ブログ<Let's Go Steady――Jポップス...
2017年11月24日 Sire/Rhinoからリリースの『BLANK GENERATION -40th Anniversary Deluxe Edition』より。 リチャード・ヘル・アンド・ザ・ヴォイドイズが1977年にリリースしたファースト・アルバム『ブランク・ジェネレイション』が、CD2枚組の40周年記念デラックス・エディションとしてリリースされた。CD1枚目にはリマスタリングしたオリジナル・アルバム『ブランク・ジェネレイション』10曲。1990年にリイシューされた時に別ヴァージョンに差し替えられていた「Down At The Rock And Roll Club」はオリジナルLP収録のヴァージョンに戻されている。 CD2枚目は「Love Comes In Spurts」や「Blank Generation」、「Whow Says?」の別ヴァージョンや、エレクトリック・レディ・スタジオで録音されたアウトテイクの「You Gatta Lose」(以前オムニバス『The Sire Machine Turns You Up』に収録されていた)、バンドとしては公式デビュー・ライヴとなる1976年11月16日CBGBでのライヴ2曲、1977年のCBGBでのライヴ、1976年のオークレコード・リリースEPから「Another World」、2000年のオリジナル・ヴォイドイズ復活リリース「Oh」、サイアー・レコードの1977年ラジオ・スポットCMを収録している。 パッケージはデジパックだが、ジャケットはオリジナル・アートワークが使用されて、24ページのブックレットが付属している。ブックレットにはヘルのコメント、ヘルとアイヴァン・ジュリアンの対談、メンバーのレアな写真、「Blank Generation」の草案歌詞が書かれたヘルのノートや、当初計画されていたジャケットもあり興味深い(1990年のCD化の際ブックレットの裏に使用されていた、4人がにらみを利かせている写真がフロントに使われている)。この計画ジャケット(printer's proof for originally planed version of Blank Generation)の曲順は下記の通り。 side one 1.Love Comes In Spurts 2.Liars Beware 3.N...
1983年7月、KOROVAよりリリースの12インチ・シングル。 『Never Stop (Discotheque)』は私が最初に購入したエコー&ザ・バニーメンの12インチ・シングルだったと思う。 友人に見せてもらった今はなき雑誌“DOLL”に掲載されたエコー&ザ・バニーメンのディスコグラフィ。リリースされたばかりだった前回紹介のミニアルバム『Echo and The Bunnymen』までが掲載されていたから、おそらく1983年末か1984年初めころの号だったのだろう。1ページの半分をシングルとアルバムのジャケット写真、残りの半分を黒田義之による文章で、7インチや12インチ、オリジナル・アルバム、オムニバス・アルバムの内容やリリース時期を簡潔だがポイントを押さえて紹介していた。今とは違ってディスクの情報が乏しい時代、オリジナル・アルバムとミニ・アルバム以外は全部輸入盤のみのディスクということもあり、たった1ページのディスコグラフィだが非常に重宝したものだ。このディスコグラフィを読んでバニーズはアルバム未収録の12インチ(の特にB面)を聴かないとダメだなぁ、と思い、ジャケットも綺麗だし手に入れたいと思うようになった。 だけどこの時点で容易に新品で入手できる12インチ・シングルはこの『Never Stop (Discotheque)』だけだったんじゃないかな。たしか池袋のOn Stage Yamano/山野楽器で購入したと思う。まぁ取寄せ注文をしたり中古で高めの値段を出せばこれ以前のシングルも手に入ったと思うが。 「Never Stop (Discotheque)」は前回で紹介したし、アルバム未収録ヴァージョンのカップリング「Heads Will Roll(Summer Version)」と「The Original Cutter-A Drop In The Ocean」の2曲も、前々回のアルバム『ポーキュパイン』の回で紹介したんで省略するが、ロイヤル・アルバート・ホールの写真に着色された花と空の青が美しいジャケットも魅力。 英盤の7インチは「Never Stop c/w Heads Will Roll」のカップリングで、7インチ・ヴァージョンの「Never Stop」とアルバムからの「Heads Will Roll」が収録されていたが、日本盤7インチ(たぶん日本で初...
1983年12月21日、ワーナー/コロヴァよりリリースのアルバム。 エコー&ザ・バニーメンのミニ・アルバム。バニーズのレコードでは2枚目に購入したと思う。 1983年10月から行われた、日本を含むアジア、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカをまわるワールド・ツアーにあわせて、ツアー先の国々でリリースされた。バニーズは1984年1月に初来日しているが、日本では来日記念盤として1983年12月21日にリリースされている。 メインはA面の1曲目「Never Stop (Discotheque)」で、イギリスでは1983年7月にリリースされたシングル曲の12インチに収録されていた“ディスコティック”ヴァージョン。7インチ収録ヴァージョンより1分ほど長いロング・ヴァージョンになっていて、この12インチ・ヴァージョンのミックスはデイヴィッド・バルフとバニーメンによるもの。 1983年当時、エレクトロ一辺倒のディスコ・ミュージックに対抗する意識もあったのだろうか、チェロなどアコースティックな弦楽器を使用し、弦の響きやピアノ、パーカッションを上手く使ったダンス・ミュージックに仕上げられた、いわばウッド・テイストのディスコ・チューン。 プロデュースはヒュー・ジョーンズ。日本盤帯には英ダンス・フロア・チャートで1位を記録した、とある。「Never Stop」はイギリスのシングル・チャートでは15位を記録した。 「Never Stop (Discotheque)」に続いては、時代をさかのぼり1980年リリースのセカンド・シングル曲でファースト・アルバム『クロコダイルズ』収録曲「Rescue」、それにアルバム『ポーキュパイン』からのシングル曲「The Cutter」でアナログ盤はA面終了。 B面はアルバム『ポーキュパイン』収録のシングル曲「The Back of Love」で始まり、このミニアルバムのもうひとつのハイライト、「Do It Clean」のライヴ・ヴァージョンが2曲目に収録されている。 1983年7月18日、ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホールにおけるライヴ・ヴァージョンで、 セカンド・ギタリストやストリングスも参加、後半イアンが即興的に歌うビートルズの「All You Need Is Love」、ジェイムス・ブラウン「Sex Machine」、ナット・キング・コール「...
2017年11月15日、テイチクエンタテイメントよりリリースのライヴ・アルバム『Dreamy Live -Unreleased Live Album-』より。 エンジェリン・ヘヴィ・シロップ初のライヴ・アルバムがリリースされた。 1989年結成~2000年バンド消滅の間に4枚のスタジオ・アルバムをリリース、いくつかのコンピレーションに参加、と決して多くはない作品数ながら、濃密な内容を作り出していた彼女達の実像をさらに補完する意味でも、このライヴ作品のリリースは意味深いものだと思う。リリースされたライヴ・アルバムには下記の9曲が収録されている。 1.Breath of Life 2.Thirsty Land 3.Naked Sky High 4.Crazy Blues 5.君に 6.Water Mind 7.Breath of Life 8.君に 9.My Dream(Bonus Track) 1~5が1994年9月10日、大阪・難波ベアーズでのライヴで3rdアルバム録音中の時期にあたる。 6~8が、その3rdアルバムをリリース後しばらくしての1995年9月22日、同じく大阪・難波ベアーズでのライヴ。 9が1993年9月3日、ロスアンジェルス・バークレイのLarry's Blakeにおけるライヴだ。 ボーナストラック扱いの9曲目がおそらくオーディエンス録音のカセットテープをマスターとしているらしく音質が劣るが、1~8はライン録音されたものをマスターとしていると思われ、発掘音源としてはまぁまぁ良好と言っていいだろう。 今回紹介する「君に」は、4枚目のスタジオ・アルバム収録曲だが、4thアルバムは1999年10月のリリースだから、その5年も前、1994年9月の時点でライヴ演奏されていた。それに4thアルバムはドラムがオタニナオコにチェンジしているから、タカハラトモコのドラム演奏による同曲は初出ということになる。 スタジオ・ヴァージョンでは冒頭からダイナミックなアレンジだが、このライヴ・ヴァージョンではブルースがかったギター・フレーズがイントロに少し入り、徐々に盛り上げてダイナミズムを作り上げていくアレンジ。この曲は1994年と1995年の2回分が収録されているが、1994年のライヴがやや不安定な歌と演奏なのに対し、1995年のライヴではしっかりと安定した演奏で、ド...
2017年12月1日リリース、『オン・エア ~2CDデラックス限定盤~』より。 ザ・ローリング・ストーンズがBBC(British Broadcasting Corporation:英国放送協会)に残した音源が初めて公式リリースされた。 ストーンズ最初のBBC音源は1963年だから、なんと54年前だ。ビートルズ(1994年)、ゼップ(1997年)、スモール・フェイセス(1999年)、フー(2000年)、ボウイ(2000年)等々のBBC音源がリリースされていたこと思えば随分と待たされたな、という感じ。 とはいっても、これまでストーンズのBBC音源はブートで接していたファンも多いと思うが、 私が愛聴していたのは『GET SATISFACTION…IF YOU WANT!(The Best of BBC Radio Recordings 1963-65)』と題された、Swingin' Pigから出てたブートだった。確かアナログ盤を友人のKBちゃんに借りたと記憶しているが、Discogsで調べてみるとリリースは1988年、2枚組のLPだったんだな。ブートとは言え放送音源だからクリアな音質で聴ける初期ストーンズのソリッドなライヴは新鮮でかっこよかった。それをカセットに録音して随分愛聴したなぁ。パソコンを買ってからはカセットからCD-Rに録音して部屋で聴いたり、iPodに入れて車で聴いたり、数年前にこのブートのCD盤を見つけて購入(やれやれこれでカセットとCD-Rは不要になるな)と、お気に入りのブート盤だった。ジャケットもいいしね。今回の公式盤のジャケよりもよっぽど良いと思うんだけど。ブート盤『GET SATISFACTION…』はインタビューを除くと18曲入りで8曲はBBCのテレビ番組からの音源だったけど、今回の公式盤は全てBBCラジオで放送された音源からで、デラックス盤はCD2枚全32曲が収録されている。もっともCDの収録時間を考えるともうちょっと曲数増やしてもよかったんじゃないかっていう気はする。 収録曲は初期のストーンズらしい、チャック・ベリーやボ・ディドリー、マディ・ウォーターズ等のカヴァー曲がずらりと並ぶが、今回紹介するのはストーンズのデビュー・シングル曲でもある「Come On」。 チャック・ベリーの「Come On」をデビュー・シングルに選曲したのはスト...