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PLASTICS『THE OLD GREY WHISTLE TEST』

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ホリー・アンド・ジ・イタリアンズの『THE OLD GREY WHISTLE TEST』映像のエンド・タイトルを見てたらPLASTICSの文字が。プラスチックス出てたんだな。YouTubeで検索して…と。「Peace」と「Diamond Head」のライヴ。クールな立花ハジメにギターを弾き倒す佐久間正英。中西俊夫のヴォーカルやはりいい。

HOLLY AND THE ITALIANS『THE OLD GREY WHISTLE TEST』

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ホリー・アンド・ジ・イタリアンズの「Tell That Girl To Shut Up」のライヴ映像あるかな、と思ってYouTube見てたんだが無かった。あったのはBBC TV番組『THE OLD GREY WHISTLE TEST』のライヴ映像でシングルにもなった「Youth Coup」とアルバムから「Rock Agains Romance」の2曲。なかなかかっこいい。

メモリーズ・オブ・雑誌『Player』番外編『TANGLED UP IN BLUE』

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雑誌『Player』を発行していたプレイヤー・コーポレションが1985年に発行した雑誌『タングルド・アップ・イン・ブルー』。 Player On-Lineの雑誌月刊Playerの歴史 によると、“85年1月から隔月で発行された音楽雑誌。尾崎豊や佐野元春など日本の80年代のアーティストの動向を伝えた”とある。 『タングルド・アップ・イン・ブルー』の創刊号。定価480円。 奥付けの発売日は昭和60年1月1日となっている。今はなき駅前の本屋で買ったような。この頃はロック系邦楽の雑誌は少なかったと思う。「アリーナ37°C」は時々買ってたな。『タングルド・アップ・イン・ブルー』はデザイン性に優れ、外国作家の短編小説(この号はデルモア・シュワルツ)やセルジュ・クレール&フランソワ・ゴランのロックンロール・コミック(フランス語の日本語訳)などインテリジェンスな内容もありつつ、佐野元春、尾崎豊、大沢誉志幸、ストリート・スライダーズなど当時活躍していたアーティストを取り上げる同時代性があった。また同時代の洋楽アーティストを数ページ掲載するトシ矢嶋の「LONDON SPIRIT」コーナーもあった。 表紙は佐野元春。「Stone & Flowers」と題された佐野元春と佐藤奈々子のコラボレート・ページが刺激的。他に鮎川誠、小山卓治、ザ・モッズ。この雑誌、「銀の書簡」というアーティストから“誰か”に宛てた手紙形式のページがあって、それが好きだったな。この号では友部正人がルイス・ブニュエルへ宛ての手紙を書いている。 たぶんこのあたりのファン層がメインのターゲットだったのだろう、デビュー後7ヶ月後の尾崎豊(デビュー曲の背景や白井貴子の前座だった1984年7月1日のライヴの様子が語られている)や、大沢誉志幸、デビュー間もないレベッカのNOKKOが取り上げられていた。 第2号。やはり尾崎豊、ザ・モッズ、山下久美子らが取り上げられているが、アルバム『φPHY』リリース後のルースターズ・花田裕之のインタビューが掲載されている(写真は花田&下山淳)。他にRCサクセションのライヴ・フォト。「銀の書簡」はゼルダの高橋佐代子(アンナ・プリュクナル宛)、柴山俊之、南佳孝(ジョン・レノン宛)、それに坂上忍(デビッド・ボウイ宛…“いつかあんたを超えてみせる”ってよ…)。短編小説はフラナリー・オコナー。 第3...

メモリーズ・オブ・雑誌『Player』その3

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休刊が発表 された音楽雑誌『Player』。手元にある『Player』をひっぱり出し紹介しています。 1988年6月号。 ルースターズのラスト・スタジオ・アルバム『FOUR PIECES』リリース時の下山&三原、花田&穴井の二組に別れてのインタビュー。この時点ではバンド解散を前提したアルバム制作ということは発表されておらず、三原と穴井にも知らされていなかった。なので “三原さんはルースターズで長くやっていけそうですか?”という質問に三原が “そう思いますよ” と答えていたり、穴井が “今後は、こういう(「再現出来ないジグソウ・パズル」)ような曲をもっと作っていきたいですね。たぶん次はもっとギトギトしたものができるんじゃないかな” と次作について語っていたり、プロのミュージシャンとは言え今読むと三原と穴井にとってはツラいインタビュー。他に1988年3月19日のインクスティック芝浦ファクトリーでのルースターズのライヴ・レポートあり。値段は440円に。 1990年9月号。 ファースト・ソロ・アルバム『RIFF ROUGH』リリース時の花田裕之のインタビューを掲載。歌詞を外部に任せたことについて“自分がそういう気持ちになったことがある、みたいな詞だとそれで充分で ” と答えているのが、そういうことなんだな、と思わせる。他に恒松正敏&VISIONSの1990年3月29日、新宿ロフトのライヴ・レポートあり。定価は480円。 1992年4月号。 2枚目のソロ・アルバム『MY LIFE』リリース時の花田裕之のインタビュー掲載。単身ロンドンに乗り込み現地ミュージシャンを選んで録音・制作したことから、カルチャーショック的な影響を受けた、というようなインタビュー内容。“『MY LIFE』は、うちで寝っ転がりながら聴いてほしいですね。聴いてて、気がついたら、寝てた、みたいな(笑)”という花田の言葉が印象的だ。定価は500円に。 1993年4月号。ジミヘンの表紙がイカす。 3枚目のソロ・アルバム『ALL OR NOTHIN'』リリース時の花田裕之のインタビュー掲載。3枚目にして初めてセルフ・プロデュースによるアルバム制作となったが、アルバム・タイトルに込めた“いるものといらないもの”、“今までいらないものを持ち続けてきたけど結局、いるものって自分とギターだけだなっていう、曲を...

メモリーズ・オブ・雑誌『Player』その2

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休刊が発表 された音楽雑誌『Player』。手元にある『Player』をひっぱり出しています。 1981年2月15日号。表紙はジョー・ストラマー。 アルバム『サンディニスタ!』リリース頃のジョーのインタビューを掲載。他にファーストアルバムリリース頃のストレイ・キャッツのインタビュー。八木康夫によるPUNGOの記事など。 定価は300円に。 1981年7月15日号。渡辺香津美が表紙。レスポール・ジュニア弾いてるね。 内容は『à-GOGO』リリース頃のザ・ルースターズのインタビュー(写真付きで4ページ)。YMOは割と好きと大江は言っております。池畑もはっぴいえんどの頃から細野晴臣が好きです、と言っている。他に来日したザ・ジャムの3人 VS ザ・モッズの森山達也の対談。パール・ハーバー(パール・E・ゲイツ)のインタビューなど。 1982年9月号。表紙はジョー・ストラマー。アルバム『コンバット・ロック』リリース頃の水上はる子によるクラッシュの記事。ワークショップの“ROCK'N' ROLL GUITAR”は花田裕之が担当。エルビス・コステロ&ジ・アトラクションズのアルバム『インペリアル・ベッドルーム』を取り上げている。ピンナップはジョーン・ジェット姐御がかっこよし。定価は400円。 1982年12月号。表紙はゲイリー・ムーア。 内容は、山名昇によるルースターズのライヴ、1984のライヴ、12インチ『ニュールベルグでささやいて』レコーディングのレポート(写真含め4ページ)。ルースターズというバンドの本質を的確に捉えたこの記事は後に2004年リリースのボックス・セット『VIRUS SECURITY』のブックレットに(一部“気違い”という表現を変更して)再掲載された。12インチ『ニュールベルグでささやいて』リリースの1ページ広告あり、例の伏せ字訳詞のやつ。 国内ニュースでは大江慎也が“急性肝炎”で入院しコンサートをキャンセルの記事が。花田裕之が担当したワークショップの“ROCK'N' ROLL GUITAR”は最終回で自らの『ニュールベルグでささやいて』の解説。ここでも大江の病気療養でコンサート中止についてのお詫びを花田が記している。ピンナップには特設リングのARB。 1983年10月号。表紙はやはりゲイリー・ムーア。 ピンナップは新宿ロフトのルー...

メモリーズ・オブ・雑誌『Player』その1

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音楽雑誌『Player』の 休刊が発表 された。  1968年創刊から55年、現在は季刊誌となっており2023年Summer号を持って休刊、今後については現在未定という。 雑誌『Player』は1970年代後半から読み始めたんじゃないかな。レコードを聴いているだけじゃなく自分でも演奏したい、という思いから私の周りでもギターなどの楽器を手にする友人が増えていた。どちらかというと私はアーティストのピンナップを切り取って壁に貼ったり、インタビュー記事を好んで読んでいたが、演奏方法やエフェクターの解説、ギターのリペア方法なんかを参考にしている友人もいた。 度々の引越しで雑誌もかなり処分したんだけど、今残っている『Player』誌を紹介。 残っているので一番古いのは1980年1月30日号。 チープ・トリックのリック・ニールセンが表紙。トム・ヴァーレインのインタビュー。カラーピンナップにはARB。値段は280円だった。 1980年5月30日号。 ザ・ジャムのポール・ウェラーが表紙。 内容はそのポール・ウェラーのインタビュー。『軋轢』をリリースする頃のフリクションのインタビュー(ツネマツ喋ってないけど)。 1980年11月15日号。 アンガス・ヤングの表紙がイカす。ボン・スコット亡き後ヴォーカリストにブライアン・ジョンソンを迎えアルバム『BACK IN BLACK』リリース頃のアンガスへのインタビュー。この『Player』という雑誌はとにかく楽器、音楽スクール、スタジオ等広告が多いが「KEY」という楽器店の広告にTH eROCKERSの陣内と鶴川が睨みを聴かせて登場している(ファースト・アルバムをリリースした頃だ)。

MY PLAYLIST Vol.5『THE VERY BEST OF SHINYA OHE PORTRAIT YEARS 1987-1990』

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ザ・ルースターズ後の大江慎也のベスト盤というと1989年にリリースされた『カレイドスコープ 1986-1989』があるけどこれはリミックスが施され全曲英語詞ヴァージョンという仕様だった。 同じ頃、自分でも選曲してカセット・テープに録音してベスト盤を作ったが、カセットはだいぶ処分したので残ってない。その後(2001年頃だと思う)MDレコーダーを買ったので1988年のCDシングルや1990年にリリースされたアルバム『WILL POWER』(+ONES名義)からも選曲してMDに録音した。その後CD-Rにも録音したなぁ。 1990年に音楽活動を一時停止、その後大江が語ってきたポートレイト・レコード(つまり柏木省三)との確執。自分の意思が反映されていない内容だとポートレイト絡みのリリース作品を否定する大江慎也。だけどあの頃大江の作品を追いかけ、突き抜けた作品となった4枚目のアルバム『PECULIAR』は特に気に入ってたしライヴにも行った。この頃ニューオーダーの『テクニーク』を愛聴してたから大江のダンサブルなデジタル・サウンド(とアコースティックなサウンドの共存)は歓迎だったが、それほど間を置かずにONESを伴ってハードなギターを軸にしたバンド・サウンドに回帰したのは個人的にちょっと残念だったな。まぁこの後来る潮流を見据えた変化だったのかもしれないけど。 以下、私の選んだ、THE VERY BEST OF SHINYA OHE PORTRAIT YEARS 1987-1990。  1. LALALA(作詞:大江慎也 作曲:柏木省三)  2. Just Walkin' That Road(words・Mary / music・Shozo, Tamotsu)  3. She's Got A Way (No No No)(words・Mary / music・Tamotsu, Syozo)  4. Peculiar(作詞:大江慎也 作曲:重藤功)  5. Kaleidoscope(words・Shinya, Mary / music・Shinya)  6. Drooping Affection(words・Yamazen / music・Katsuyuki)  7. Tonight(作詞・作曲:柏木省三) ...

OMNIBUS a Go Go Vol.103『POPTOPIA! Power Pop Classics Of The '90s』

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1997年、ライノからリリースのオムニバス。 ライノ・パワーポップ・オムニバスの90年代編。1曲目はマシュー・スウィートの名盤『ガールフレンド』からリチャード・ロイド(ex-テレヴィション)が参加してる「I've Been Waiting」。続いてジェリーフィッシュのこれまた名盤『ベリーバトゥン』から「That Is Why」、このオープニング2曲最高の並び。 イントロのドラムが格好いいジゴロ・アンツ「Cope」はハードなポップで大音量で聴きたいナンバー。ザ・レンブランツのフレッシュでメロディアスな「Rollin' Down The Hill」は曲中盤からの転調がクセになる良さ。力強く緩急のあるサウンドに美しいコーラスのザ・ポウジーズ「Solar Sister」、ビター&スウィートなメロディのザ・グリーンベリー・ウッズ「Trampoline」これ好き。 その他、ワンダーミンツ、ヴェルヴェット・クラッシュ、レモンヘッズ、レッド・クロスなどなど名曲ずらり。 このオムニバス『POPTOPIA!』シリーズ、あんなバンドのこんな曲も収録して欲しかったというのもあるし、80年代、90年代編になるとパワーポップ…ギターポップかな〜まぁ微妙なジャンルだからなーと思う曲もあるが、グッドメロディ/グッドサウンドの曲ばかりなのは間違いなし。

OMNIBUS a Go Go Vol.102『POPTOPIA! Power Pop Classics Of The '80s』

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1997年、ライノからリリースのオムニバス。 ライノ・パワーポップ・オムニバスの80年代編。私が一番最初に買ったのがこの80年代編で、ヴィヴィッド・サウンドが輸入盤に帯と解説(駒形四郎)を付けた国内流通仕様だった。 トランスヴィジョン・ヴァンプがカヴァーしたホリー&ジ・イタリアンズの「Tell That Girl To Shut Up」は蓮っ葉な魅力でかっこいい超名曲。70年代編に収録されていたドゥワイト・トゥワイリー・バンドのドラマーだったフィル・セイモア「Baby It's You」は嗄れた味わいながらスウィートさも併せ持つ。ピーター・ケイスのザ・プリムソウルズ「A Million Miles Away」は力強いサビを持ったメロディラインとヴォーカルが正にパワーポップ。タイトかつスウィートなメロディが魅力のキャンディ「Whatever Happend To Fun...」。力強さのなかにもキラキラ感のあるトミー・キーン「Places That Are Gone」と名曲目白押し。 さらに、ビートリッシュなザ・スポンジトーンズ「She Goes Out With Everybody」、透明感のあるマーシャル・クレンショウ「Whenever You're On My Mind」、ザ・パシュート・オブ・ハピネス「She's So Young」は爽やかなフィーリング。大好きなザ・スミザリーンズの ファースト・アルバム からはエッジーな響きのギターがパワフルにドライヴする「Behind The Wall of Sleep」。まだまだ他にもザ・ロマンティックス、グレート・ビルディングス、レッツ・アクティヴ、The dB's、The La'sなど全18曲収録。 

OMNIBUS a Go Go Vol.101『POPTOPIA! Power Pop Classics Of The '70s』

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1997年、ライノからリリースのオムニバス。 パワーポップというのをいつ頃意識したんだろうと思い返してみると友人に作ってもらったオムニバス・テープにブラム・チャイコフスキー「Girl of My Dreams」とニック・ロウ「Cruel  To Be Kind」とラズベリーズ「Go All The Way」が入ってたんだよな確か、カセット・テープはだいぶ処分しちゃったからもう無いんだけど。 ライノからリリースされたパワーポップのオムニバス『POPTOPIA! Power Pop Classic Of The '70s』には、その3曲が入ってるんだよね。やはりパワーポップの代表曲であると言っていいだろう。CDには18曲が収録されていて幾つかの曲は聴いたことがあったが、このCDで初めて聴いて一番気に入ったのはPezband「Baby It's Cold Outside」で、こんなキャッチーでグッド・メロディ&めくるめく展開のアレンジにマイ・ヘヴィ・ローテーション化、ヤラレました。もう1曲、Fotomaker「Where Have You Been All My Life」は伸びやかなパワーポップで胸キュン。その他、The Rubinoos「I Wanna Be Your Booyfriend」、The Records「Starry Eyes」も良し。 1972年のラズベリーズから始まり、最後の1979年のザ・ビート「Rock n Roll Girl」まで70年代パワーポップの魅力をたっぷり盛り込んだ70年代編。このシリーズに共通するリキテンスタインなカヴァーアートもいい。

追悼・ANDY ROURKE

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ザ・スミスのベーシストだったアンディ・ルークが2023年5月19日逝去。59歳だった。 右の写真は私が持ってるスミスのレコードのなかで一番アンディが目立っているジャケットのUS盤12インチ「How Soon Is Now?」(ピントはジョニー・マーに合ってるんだけど)。メンバーが表ジャケに写っているディスクはオフィシャルではほぼ無いし(この写真はコンピ『ハットフル・オブ・ホロウ』のアナログ盤見開き内側に使用されている)。それにこの曲よりベースラインの流麗で目立つ曲はもっとあるんだが(もちろんこの曲でもベースラインは工夫されている)。 しかしトレモロ・エフェクトされたボ・ビート的なギター・カッティングにサイケデリックな催眠効果&高揚感を聴き手にもたらす「How Soon Is Now?」はスミスの代表曲のひとつだ。この曲をA面にしたシングルはUKよりも早くUSで1984年にリリースされている。 このUS12インチ盤、A面は「How Soon Is Now? (Long Version)」とあるが6分43秒は元々のサイズ。B面は「Girl Afraid」と「How Soon Is Now? (Edit)」で、後者は3分53秒に編集されたヴァージョン。 ファンクが好きだというアンディはメロディアスでハネた躍動感のあるベース・プレイでスミスの楽曲を立体的に魅力的にすることに貢献したと思う。スミス後はキリング・ジョークに極短期間加入したり、モリッシーのソロに参加、クランベリーズのドロレスとのユニットなどで活動していた。 RIP…。

和久井光司責任編集『NYパンク以降のUSロック完全版』

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2022年11月2日、河出書房新社より出版。 ディスクガイドを読むと、これまで聴いてなかったバンド、アーティスト、ジャンルに興味が湧いてCDやレコードも増えるから買わないようにしていたんだけど、この『NYパンク以降のUSロック完全版』、たまたま待ち合わせた本屋にあったので手に取ったらテレヴィジョン/トム・ヴァーレイン/リチャード・ロイド、ブロンディ、モダン・ラヴァーズ/ジョナサン・リッチマンが近年リリースしたアルバムまで網羅されているので購入してしまった。この和久井光司責任編集のディスクガイド・シリーズは何冊か出てるけど購入したのはヴェルヴェッツとボウイに続いて3冊目(ヴェルヴェッツ本良かった)。 去年出たのは知ってたんだけど表紙がトーキング・ヘッズ/デヴィッド・バーンだからスルーした模様…トーキング・ヘッズはほとんど聴いてないから…持ってるアルバムはファーストのみ。別に嫌いとかそういうんじゃなくて単に後回しになってるだけ。後で聴くかわかんないけど…聴いてみたいとは思ってる…。 『NYパンク以降のUSロック完全版』、読み物的に面白かったかな。和久井光司らしい遠慮なくハッキリした物言いの部分もあるし。和久井がニューヨーク・ドールズがダメで特にジョニー・サンダースは認められない、という残念な告白もあったし、水上はる子はニューヨークでパティと住んでた頃のことを小説かなにかにしたい言っていた、ということも書かれていた。ブロンディとザ・ナック絡みのプロデューサー、マイク・チャップマンの記事も面白かった(パット・ベネターのファースト聴いたな…)。最後のパワーポップとアメリカン・ニュー・スタンダードの章で紹介されてたパワーポップ系バンドのアルバムには聴いてみたいのがいろいろあるんだけどね。

私の放浪音楽史 Vol.99 THE ROOSTERZ『STRANGERS IN TOWN (SUPER MIX)』

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1986年4月21日、日本コロムビアよりリリースの12インチ・シングル。 アナログ盤A面にはアルバム『ネオン・ボーイ』から7ヶ月後にリリースされた「Stranger In Town」のリミックス・ヴァージョンの「Stranger In Town (Super Mix)」を収録。 イントロには下山淳のもくもくと湧き上がり渦巻く雲のようなディレイをかけたギター・フレーズが続き、それは曲全体を覆うバッキング・フレーズとなる。ピッキング&ミュートした音にディレイをかけ、音色が混じり合い、空間的な広がり感じさせ、ストレンジかつ緊張感のある効果を生み出す。テンポに合わせたディレイ・タイムの設定と正確なピッキングが必要なテクニックだ。 ディレイを使ったギターというとザ・ドゥルッティ・コラムのファースト・アルバム『ザ・リターン・オブ・ザ・ドゥルッティ・コラム』でヴィニ・ライリーが弾くポスト・パンク印象派というか水彩画のように色彩が広がる感覚のギター・サウンドは聴いていたが、この下山のディレイ・サウンドは珍しかった。よくU2のギタリスト、ジ・エッジと下山のディレイ・テクニックが比較されるが、この頃U2はほとんど聴いてなかったからな。ライヴのミニ・アルバム『アンダー・ア・ブラッド・レッド・スカイ』と『WAR』くらいかな聴いてたのは。バニーメン派だったから。まぁディレイの使い方について下山は、エッジではなくピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアに影響を受けたと語っているけど(雑誌『ROCKS OFF Vol.05』2008年)。 「Stranger In Town (Super Mix)」の曲の長さは、4分51秒から5分47秒と約1分長くなっている。イントロの下山のディレイ・ギターにのせて不穏に響くキーボードのフレーズ、イントロは30秒から50秒に、ギターソロはアルバムとは別テイクに差し替えられて30秒から60秒に長くなった。キーボードが目立ち、ややギターポップな印象もあったアルバム・ヴァージョンとは完全に別物、ぐつぐつと泡立つようなギター、ゆらゆらと揺らぐフレーズ、爆音のストローク、エレクトリックでヘヴィ、ハイテンションでアグレッシヴ、まさにスーパーなヴァージョンに生まれ変わった。 プロモーション・ヴィデオもつくられ、旧新宿ロフトで撮られたと思われる白黒の映像で、花田裕之は黒のつば広帽...

ROCK'N' ROLL GYPSIES『V』

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2023年4月30日、RRG.RECORDSよりリリースのアルバム。 前作『IV』から7年振り、ロックンロール・ジプシーズ、5枚目のスタジオ・アルバム。リリースは前作と同じRRG.RECORDSから。 収録曲は、  1. JUMPIN JUNK HIPPY SHAKE  2.くりかえして  3. 蝙蝠の唄  4. Mr. Lover Man  5. 素晴らしい世界  6. So Long  7. 渦  8. Fly -with only one wing-  9. Imaginary Territory 10. PLEASE の10曲。 楽曲はメンバーそれぞれが作詞作曲しており、1、8が市川勝也、2、7が花田裕之、3、6、9が下山淳、4、10が池畑潤二による。5は作詞山口洋・作曲下山淳の共作。3と5で武田康男がコーラスで参加、9で下山がベースを弾いている。 ライヴで盛り上がりそうなポップなメロディの市川勝也作からアルバムは始まる。市川作はもう1曲サイケな下山のギターが活躍する8(2曲ともヴォーカルは花田)。花田作は2曲。どちらも“老い”という単語が入ったビターな曲、もはや詩人、諦念を感じる。 下山作は3曲、3はユーモラスな吸血鬼の歌、6と9はメロディアスな曲。5の山口洋と下山の共作曲を含め下山が4曲ヴォーカルを担当。池畑作は同年代向けと思われる歌詞の内容ながらポップでキュートなアレンジの4、スカなパーティーチューンの10がラスト。トータル約50分、各自持ち寄った曲とアレンジに工夫があり多彩な印象も感じるアルバムだ。

浅川マキ『浅川マキの世界2 ライヴ・セレクションBOX』

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2022年12月21日、ユニバーサル・ミュージックよりリリースのボックス・セット。 浅川マキの未発表ライヴ音源を収録したCDボックス・セットがリリースされた。 ・CD6枚組 ・生産限定盤 ・三方背スリーヴケース ・プロデュース:寺本幸司 ・ライナーノーツ(約一万字):寺本幸司 ・当時の貴重な写真掲載 ・歌詞の掲載なし ・価格:10,000円(税抜) 収録内容は、 Disc 1・2:1978年7月7日 at 池袋東映「浅川マキ・真夜中の池袋・始発まで」 Disc 3:1982年4月28日 at 京大西部講堂「スキャンダル」 Disc 4・5:1991年3月30日 at 新宿PIT INN「浅川マキを聴く会」 Disc 6:1993年6月30日 at 釧路生涯学習センター・大ホール「浅川マキ・北海道ツアー最終日」 なかなかの高額商品をなぜ購入したかというと、CD『シングル・コレクション』を聴いてから浅川マキをもっと聴きたかったのと、1991年3月30日の新宿PIT INN「浅川マキを聴く会」(CD2枚)に下山淳がギタリストとして参加しているからであった。この新宿PIT INNの参加ミュージシャンは、 Vocal;浅川マキ Guiar:下山淳 Piano, Organ:渋谷毅 Bass:川端民生 Drums:セシル・モンロー Tenor Sax:植松孝夫 収録曲は、 Disc 4  1. あたしが娼婦になったら  2. こぼれる黄金の砂~DREAM TIME~  3. マイ・マン  4. 暗い日曜日  5. 憂愁(II)  6. 暗い眼をした女優  7. こころ隠して  8. 霧に潜む  9. ちょうどいい時間 Disc 5  1. JUST ANOTHER HONKY  2. ガソリン・アレイ  3. ロンサム・ロード  4. セント・ジェームス病院  5. 都会に雨が降るころ  6. あの人は行った  7. あんな女ははじめてのブルース 4-1と2はマキのアカペラ、ピアノの渋谷毅がステージに呼び込まれてのリリカルな名曲3、ズシリとした余韻を残す4、下山淳が呼ばれて浅川マキ作詩・下山作曲の5が始まる。下山のサイケデ...

追悼・MARK STEWART

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尖ったギター・カッティング、うねるベース、鋭い16ビート、フリーキーなサックス、時にリリカルに響くピアノ…ザ・ポップ・グループのファースト・アルバム、『Y』(1979年)、さらにリズムが強靭になりトライバル感も増したセカンド『ハウ・マッチ・ロンガー』(1980年)。 ザ・ポップ・グループのサウンドは衝撃的だったが、マーク・スチュアート(アンド・ザ・マフィア)のソロはさらに過激だった。 闘争的なジャケのソロ2枚目『AS THE VEENER OF DEMOCRACY STARTS OF FADE』(1985年)は、ダンサブルなリズムの上を銃弾のように激しく飛び交い、砲撃のように響くサウンド・エフェクト、カット・アップ/コラージュ、ノイズ。そしてマーク・スチュワートのスクリーム/アジテーション。もはやメロディらしきものはなくリミックス・アルバムのようだが、そのサウンドには焦燥感と不思議な高揚感が混じり合っていた。 2023年4月21日、マーク・スチュワートが逝去。 ザ・ポップ・グループが発したメッセージは今も世界へ問い続けている。 HOW MUCH LONGER DO WE TOLERATE MASS MUDER ?

MY PLAYLIST Vol.4『THE VERY BEST OF ROCK'N'ROLL GYPSIES』

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ロックンロール・ジプシーズは当初1995年〜1997年にかけて、花田裕之のソロ活動に際し名付けられたプロジェクト的なバンド名称だったが、2001年10月14日「北九州博覧会 Rock'in Expo 2001」にロックンロール・ジプシーズのバンド名義で出演。続いて2002年3月1日には渋谷ON AIR EASTでライヴ、その後もライヴを重ね、 2003年6月18日には スタジオ・アルバム 『I FIRST』をリリースしロックンロール・ジプシーズが継続的なバンドであることを印象付けた。 メンバーは、 花田裕之 Vocal & Guitar 下山淳 Guitar & Vocal 井上富雄 Bass &Vocal 池畑潤二 Drums で始まったロックンロール・ジプシーズだが、ベースの井上 が2003年末に脱退、奈良敏博をゲスト・プレイヤーとして活動を続け、後任ベーシストには市川勝也(元POTSHOT)が加入している。アルバム『II』では井上が8曲、市川が4曲でベースを担当した。 2003年〜2016年でスタジオ・アルバムは4枚。他に映画『ロッカーズ』サントラ盤に参加、ボ・ガンボスのトリビュート盤(2005年)に甲本ヒロト&ROCK'N'ROLL GYPSIESで1曲参加している。なかなか寡作なロックンロール・ジプシーズであるが、主にオリジナル・アルバム4枚から自分の好きな曲を選びベスト盤を作ったのは、2019年頃と思う。まぁライヴ・アルバムもあるのだがスタジオ録音のみで選曲。発表順ではなく全体のバランスとCD-Rに焼いて聴くことを考えた曲順にした。 以下、私の選んだ、THE VERY BEST OF ROCK'N'ROLL GYPSIES。  1. Frame Up Boogie(作曲:ROCK'N'ROLL GYPSIES)  2. 渇く夜(作詞・作曲:花田裕之)  3. 只の夢(作詞:柴山俊之 作曲:下山淳)  4. そろそろ(作詞・作曲:花田裕之)  5. 風の跡(作詞・作曲:花田裕之)  6. You won't be my friend(作詞・作曲:下山淳)  7. Hō Train Boogie(作詞:柴山俊之 作曲:花田裕之)  8. Hey DJ(作詞・...

Guitar Magazine 2023年5月号『特集・鮎川誠/トム・ヴァーレイン』

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2023年4月13日、リットーミュージックより刊行。 ギター・マガジン買ったのは何十年振りだろうな…。なにしろ鮎川誠とトム・ヴァーレインの2大特集。それに“鮎川誠の1969年製レス・ポール・カスタム原寸大ポスター付きだ!これは買うよね…(ポスター壁に貼るのか?)。 鮎川の特集は写真、記事含めて53ページ。大鷹俊一による鮎川の活動を振り返る文章、過去のインタビュー再掲載3本、愛機1969年レス・ポール・カスタムをはじめとして鮎川所有ギターの紹介、愛用のマーシャル・アンプ紹介、鮎川が通った楽器店のオーナーへのインタビュー、ディスコグラフィ、様々なミュージシャンからのメモリアル・メッセージを掲載。 どの記事も興味深く読めるが、なかでも愛機1969年レス・ポール・カスタムの詳細な紹介は驚異的だった。確かにブラックの塗装は剥がれているが、フレットやブリッジ、ピックアップや電装系、スイッチなどは使い易いように、常に良い音が出せるようにメンテしているんだろうな、と思っていたが、いやいやそうじゃなかった。錆で固まったテールピース、ブリッジ、割れたピックアップ・カバー…錆びついて回るネジは1本もないというギター…恐るべしパーツを換えないオリジナルの音へのこだわり。ほかに所有ギター24本がカラー写真で紹介。レス・ポール・カスタムは6本、ギブソン・レス・ポール・ジュニア・ダブルカッタウェイTV、アルフィーの高見沢にプレゼントされたというブルーのフライングV、『クール・ソロ』のタイトルの由来となったグヤトーンLG-120Tも。機材関係の紹介文は小林弘昂によるもの。 ディスコグラフィは前田栄達と小川真一が担当。ミュージシャンからのメモリアル・メッセージには、最も好きな曲という質問があるが、これは難しすぎる…「ユー・メイ・ドリーム」、「レモンティー」、「DEAD GUITAR」、「キング・スネーク・ブルース」…といった曲が選ばれているが…チャーが「ビールス・カプセル」を選んでる!カヴァーして欲しい! トム・ヴァーレインの特集は20ページ。五十嵐正によるバイオ記事、ディスコグラフィは行川和彦、トム愛用ギター紹介は川上啓之によるものでステージ写真も交えながらダンエレクトロ、ジャズマスター、ジャガー、ダン・アームストロング、STタイプなど12本を紹介。 トムのソロ〜再結成テレヴィジョンを支えたギタリ...

片岡たまき著『あの頃、忌野清志郎と』

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2023年3月9日、ちくま文庫より刊行。 2014年に宝島社から刊行された単行本『あの頃、忌野清志郎と』が、加筆、再編集、“ボーナストラック”として「リンコさん」の章を追加し文庫化。 中学生12歳(1972年と思われる)でRC好き、清志郎好きになり、“いつかきっとRCと仕事をするんだ”という将来の夢を抱き、それを叶えてしまう著者片岡たまきの実行力というか忍耐力というか執着心に驚く。1982年、RCの当時の事務所「りぼん」に入社、ついにRCの衣装管理専任・衣装係になりライヴ、ツアーに同行する(ファンクラブ会報の仕事もあり)。1985年、RCが「りぼん」から独立し新事務所「うむ」を立ち上げてしばらくして衣装係からマネージャーに就任、1990年最後のツアー前までRCのマネージャーを務めた。このRC末期、片岡たまきにかけた清志郎の言葉がこの本のひとつのハイライトだろう。 その後、片岡たまきは1991年冬から金子マリのマネージャーになり、1999年からは友人5人と小さな飲み屋「8039」を開店、2004年からは再び清志郎のライヴ衣装を手がけるようになる。そして2009年5月…五百羅漢寺でおこなわれた清志郎の葬儀、告別式から青山葬儀所で行われたお別れの会「青山ロックン・ロール・ショー」までの様子が記され本編終了。 副題は“ボスと私の40年”。片岡たまきから見た清志郎、RCの姿が描かれ、ゴーストライターを頼まれた『忌野旅日記』、清志郎ソロのブロックヘッズとの交流、タイマーズの活動、RC最後のヒリヒリとした雰囲気など、RCと清志郎の側にいたからこそ書ける内容でもある。辛いエピソードもウェットにならず、シリアスなりすぎず、さらりと書かれているので読みやすい。“ボーナストラック”「リンコさん」もホロリとする。竹中直人による解説というか“スペシャル・ボーナストラック”も楽しい。清志郎が音楽を担当した竹中直人監督『119』ビデオで観たな。DVD化されてないんだ…。企画段階で終わったおやじバンド(ヴォーカル沢口靖子)の映画『太陽のあたる場所』観たかったなぁ。 図版は白黒だけど、チケットの半券やチラシ、清志郎自筆のメモ、FAX原稿などが少しだけど掲載されている。 この本で知ったんだけど片岡たまきは、小山卓治がデビュー後に一緒に演奏していたバンドTHE CONXのキーボード奏者ロケット・マツの奥...

追悼・坂本龍一

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坂本龍一が逝去。2023年3月28日、71歳だった。 4月2日、日曜日の夜10時頃飛び込んできた臨時ニュース。 今年1月にNHKで放送された『Playing the Piano in NHK & Behind the Scenes』で映し出されていたのは病と闘う坂本龍一の姿、そして体力と気力を振り絞りピアノに向かって自分の愛する音を紡ぐ姿であった、 私がYMOを聴き直すきっかけとなった、サイバーパンクを先取りしたともいえるジャケットに包まれたUSリミックス仕様のファースト(1979年)。坂本龍一作の東風(Tong Poo)収録。たぶん買ったのは1980年代後半。 映画『戦場のメリークリスマス』はロードショーで観たと思っていたが思い返してみると、どこか名画座の大島渚監督特集で観たと思う。(一時期大島渚映画に嵌まってた)。武士道精神の塊、生粋の日本軍人ヨノイ大尉を坂本龍一が演じるというのも意外だったが、ボウイ演じる捕虜のセリアズに惹かれていく、憎むべき敵への好奇心/憧れという裏腹な感情を表現した秀逸な演技だった。言わずもがなの名作サントラ『戦場のメリークリスマス』(1983年)はヨノイ・ジャケ。デヴィッド・シルヴィアンの歌う「Forbbden Colours(禁じられた色彩)」収録。 クールでアヴァンギャルドな『B-2 UNIT』(1980年)。ダブに興味を持った時期に入手した。デニス・ボーヴェルやアンディ・パートリッジ参加の非常にかっこいい先鋭作。 一時期ボサノヴァにハマった時期に買ったモレレンバウム2/サカモトのアルバム『ア・デイ・イン・ニューヨーク』(2003年)。ヴォーカルのパウラ・モレレンバウム、チェロのジャキス・モレレンバウム、ピアノ坂本龍一のユニット作。ジョビン作品を多く取り上げているが、坂本龍一作「タンゴ」も収録。「サンバ・ド・アヴィオン」では戦メリのテーマもちらり。 『グルッポ・ムジカーレ』は『千のナイフ』(1978年)〜『ラスト・エンペラー』(1988年)までのベスト盤で13曲を収録。1988年→1978年に遡る曲順で収録。 CDシングル「RESCUE c/w RYDEEN 79/07」は2007年リリース。HASYMO名義の「RESCUE」はアニメ映画『EX MACHINA エクスマキナ』テーマ曲で作詞:細野晴臣、高橋幸宏、CHIHO SH...