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Drop's「十二月」

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2016年5月25日、STANDING THERE, ROCKS/キングからリリースのアルバム『Donut』より。 前作『Window』から10ヶ月という短いインターバルでDrop'sのアルバムがリリースされた。 バンドの多様性を作り出すことを目指した前作とは変わり、今作ではVo&Gの中野ミホが全ての作詞作曲を手掛けていて、中野のパーソナルな部分にフォーカスした楽曲・アルバム作りとなったようだ。 前作発表後には映画2作の主題歌を制作というトピックもあった。バンド外部からの要請をサウンド化するという難しさもあったと思うが、今年3月に公開された映画『無伴奏』の主題歌「どこかへ」と今年6月に公開される映画『月光』の主題歌「月光」がこのアルバムに収録されている。どちらの曲もDrop'sとしての新しい面を見せていると思う。 取り上げた1曲は3曲目に収録されている「十二月」。 Drop'sらしいオルガンとヘヴィなギターに包まれたミディアムナンバー。途中ドラム、ベース、アコギの演奏だけで歌われている部分の、  “あの時 書いた 歌だけが なぜかしら  あざやかで うつむいて しまうのです  そうねきっと 私はあなたで あなたは私だったね” という歌詞が成長と変わりゆく自分に対する僅かな喪失感を窺わせる。中野の求めても答えを得られないエモーショナルな歌声が、聴いている者の感情を揺さぶるナンバーだ。 勢いのある「G.O.O.D.F.E.E.L.I.N.G.」に始まり、ハネたリズムの「Cloud City」、 アコースティックでスローな「ダージリン」、アルバムタイトル・トラックの「ドーナツ」。 “からっぽ”っていう言葉はいつもロックンロールにとって重要なテーマだ。中野ミホは自分のぽっかり穴の開いた心と、甘ったるいだけのうぬぼれた気持ちをドーナツになぞらえて歌う。 実は一番好きかも「LONELY BABY DOLL」は、ストレートなロックンロール。 一発録り、カセットテープに落としてラジカセで鳴らし再度マイクで録音したという(日本脳炎もやってたな)粗いサウンドが魅力。ラストのグルーヴィな「からっぽジャーニー」。からっぽを意識しながら “からっぽの分だけ 吸い込む空気を”って歌詞が秀逸。その他、全12曲を収録。 5月末にリリースされたアルバムだが、歌われる内...

サンハウス「GOT MY MOJO WORKIN'」

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2016年3月26日、SON RECORDSからリリースのアルバム『Tiger In Your Tank!(Tribute To Muddy)』より。 マディ・ウォーターズ生誕100年(マディの誕生年は1915年とされているが1913年誕生説もある) を祝って2015年9月12日に下北沢ガーデンでおこなわれたライヴからサンハウスのライヴがCD化された。菊、鮎川、奈良、浦田という(1983年『クレイジーダイアモンド』録音と同じ)メンツだ。サンハウスが当日演奏した全15曲、「キングスネークブルース」や「レモンティー」などサンハウスの7曲に、マディのカヴァーが8曲、それにスタジオアウトテイク2曲をプラスして17曲が収録されている。 アルバム・タイトルにもなっている「タイガーインユアタンク」はマディ・ウォーターズが1960年に発表した曲でウィリー・ディクソン作。柴山俊之による日本語詞で歌われているが、ブルースライオンの2001年リリースのアルバム『X-01』でも録音されてい(作詞・柴山、作曲・ブルースライオン名義で大分アレンジは違うけどね…)。 「Got My Mojo Workin'」は当日ライヴでのラストナンバーで、パンタ・バンドで長く活躍していた中山努がピアノ、永井“ホトケ”隆がボーカルとギターでゲスト参加している。スピード感のある奈良&浦田のリズム隊に鮎川のぶっといギターの音色をのせた演奏はドライヴ感抜群。中山のピアノもファンキーに絡み、永井ホトケのギターソロもフューチャーされている。この曲は日本語詞ではなく英語で歌われている。「Got My Mojo Workin'」はマディ・ウォーターズ作(本名のマッキンリー・モーガンフィールド名義)だが、原曲があってアン・コール&サバ―バンズによってリリースされた「Got My Mo-Jo Working」(プレストン・フォスター作)。アンの「Got My Mo-Jo Working」はヴ―ドゥーなアイテムが数多く登場する歌詞で、マディのとはかなり違うところがあるが訴訟となったようだ。まぁそのあたりもあるのかもしれないが、このアルバム、ジャケ記載と歌詞カード記載の作詞・作曲クレジットがなんか適当な感じ…。 下北沢ガーデンのライヴは“BLUES BABY ROCK AND ROLL”というタイトルもつけられていた...

ザ・モッズ「うるさい」

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石井聰亙監督『狂い咲きサンダーロード』のブルーレイ化・クラウド・ファンディングが始まる。 奇跡的に発見された1980年撮影当時の『狂い咲きサンダーロード』16mmネガ・フィルムを1コマずつ精査・修正、ハイクオリティ画質でのブルーレイ化。 クラウドファンディングプラットフォームMotionGalleryのページ。 『狂い咲きサンダーロード』完全復活プロジェクト うーむ、フィギュア付きは25万か…。 ザ・モッズの「うるさい」は『狂い咲きサンダーロード』で使用された曲。昔90分テープでサントラ作ったなぁ…。

森田童子「ぼくと観光バスに乗ってみませんか」

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長らく廃盤状態だった森田童子のアルバムが再発。最新リマスター/SHM-CDで2016年7月20日発売。 Universal Music JapanのNewsページ 森田童子の残した名盤カタログ全9作品が、2016年7月20日にSHM-CDにてリイシュー! 森田童子を初めて聴いたのはT君の下宿で、1983年か1984年頃かなぁ…。「ぼくと観光バスに乗ってみませんか」や「ぼくたちの失敗」を収録したアルバム『マザースカイ』だった。極めて薄い剃刀の刃のような危うさを秘めた歌詞とシンプルな演奏。ルックスと歌声のギャップにも驚いた。 アナログは持ってるけど、どうするかなぁ…。

MODERN DOLLZ「チェリーに夢中」

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2016年1月20日、YOUTHからリリースのアルバム『THE UNRELEASED TRACKS vol.1』より。 モダンドールズの未発表トラック集がリリースされた。モダンドールズの音源といえば2002年にUKプロジェクトからリリースされたCD『Complete Best』があったが、今回リリースCDのブックレットに記載されたクレジットによれば、収録された音源で『Complete Best』とのダブリはなく同タイトルが数曲あるが録音時期の異なるトラックだ。『THE UNRELEASED TRACKS vol.1』に収録された音源の録音時期は1981年11月~1983年10月、Vo佐谷、G松川、G平山、B田中、D倉井というメンバーで録音されている。 『THE UNRELEASED TRACKS vol.1』のCD収録全22曲のうち、ラスト2曲「ソーダポップ」と「チェリーに夢中」が最も古い1981年11月の録音。1981年はベースの田中、ドラムの倉井が正式加入しバンド名の表記をMODERN DOLLSからMODERN DOLLZに変更した時期だ。今回選んだ「チェリーに夢中」はのちの「チェリーに首ったけ」の初期ヴァージョンなのだろう、スピーディなアレンジは同じだが、中盤部分に一旦スピードダウンしてレゲエアレンジが組み込まれているところが面白い。歌詞はほとんど同じで後半の“チェリーに首ったけ”が“チェリーに夢中さ”と歌われている。なのでタイトルも「チェリーに夢中」。粗削りな魅力あるトラックだ。まぁ若干ブロンディの「I'm On E」(アルバム『プラスティック・レターズ』収録)なメロディではある。 その他少しだけ紹介すると、「ソーダポップ」は、いまやマッサンとして有名な玉山鉄二が陣内孝則監督の映画『ROCKERS』(2003年) のなかで歌っていてサントラにも入ってるモダンドールズの代表曲といっていいグラマラスなナンバー。「素敵なハニーキャット」は後の「ストレイキャット・ブルース」でアレンジはほぼ同じだ(しかしストレイキャッツの影響は大きかったな…)。バディ・ホリー的なリズムが軽快な「夜のシーサイドラヴ」、スリリングなビートチューン「Monkey Drive」などなど。 少々キザな歌詞が似合うポップなメロディとビートの効いたナンバー、洋楽からの影響が垣間見えるアレ...

MUTE BEAT「キエフの空」

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1986年4月26日チェルノブイリ…あれから30年。

ROCK'N' ROLL GYPSIES「YOU WON'T BE MY FRIEND」

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2016年3月12日、RRGP RECORDSからリリースのアルバム『ROCK'N' ROLL GYPSIES Ⅳ』より。 ロックンロール・ジプシーズ、4枚目のスタジオ・アルバムがリリースされた。 2003年『Ⅰ』→2005年『Ⅱ』→2010年『Ⅲ』→2016年『Ⅳ』と13年で4枚のスタジオ・アルバムの発表と作品数は多くは無いが(他に2007年にライヴ盤がある)、振り返ってみるとジプシーズというバンドは長く続いているなぁ。 内容はというと「あきれるくらい」、「空っぽの街から」や「Miles Away」(“Hoo Hoo Woo”っていうコーラスがジプシーズの楽曲では珍しい味付け)といった曲では、いつも通りのロックンロール・スピリットがスピーカーから迸り感じられるジプシーズ・ナンバーだし、ピンク・フロイド「See Emily Play」の歌詞の一節からタイトルを付けたんだろうか「You'll Lose Your Mind And Play It」は、4人が夢中で6分以上プレイしてるお得意インスト・ブルーズナンバー。 今回の注目はというと、なんといっても下山の歌うラヴ・ソング「You Won't Be My Friend」(作詞作曲も下山)。綺麗なアコギの弦とリムショットの響き、下山のヴォーカルはこれまでよりも丁寧に歌っていて、くっきりと歌詞が伝わってくる。すれ違う気持ちを描いたストレートなラヴ・ソング。 他には、もう一曲下山の歌う「Till Dawn」、池畑作の「危険な日常」、スタジオ録音のラスト8曲目は下山作で花田がヴォーカルをとる「dis agreed」。“仲違い”か…。 9曲目からは2015年12月23日高円寺HIGHでのライヴから「汽車はただ駅を過ぎる」、「渇く夜」、「Ho Train Boogie」の3曲を収録。

追悼・PRINCE PRINCE AND THE REVOLUTION「LET'S GO CRAZY」

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王子逝く。私はプリンスの熱心なリスナーじゃなかったけど、この曲と「パープル・レイン」のMVはよく見たなぁ。 “一期は夢よただ狂へ” この曲のタイトル「Let's Go Crazy」をこう日本語に変換するのを教えてくれたのはモモヨだった。

私の放浪音楽史 Vol.72 THE ROLLING STONES『GOT LIVE IF YOU WANT IT!』

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1965年6月 DeccaよりリリースのEP。 1965年にイギリスでリリースされたローリング・ストーンズ3枚目のEP。 ストーンズが1965年3月におこなったイギリス・ツアーからのライヴ・パフォーマンスを収録している。同名タイトルのライヴ・アルバムが1966年にリリースされているが、そちらは1966年9月~10月のイギリス・ツアーからの音源を収録したものだ(一部疑似ライヴ)。 私が聴いたのは1982年にリイシューされた12インチ盤でKBちゃんに借りたと思う。収録時間が少ないのでなにかと一緒にカセットテープに録音したと思うが、カセットテープも結構処分したからたぶん残って無いだろう。で、聴きたくなってiTunesストアを見ると、あるじゃないか。まぁ配信の音はいまいちだが、手軽に聴けるしっていうんで購入。 1曲目の「We Want The Stones」は曲じゃなくてストーンズを求めるオーディエンスの歓声が13秒ほど。少し前に紹介した石井聰亙監督の映画『爆裂都市 バーストシティ』のサントラ盤で「セルナンバー8」の冒頭、オーディエンスの“We Want Battle!”という掛け声が入っているが、このストーンズのEPを聴いて、あーこれに影響されたんかいな、という気がするほど雰囲気が似ている。ついでに書くとバトルロッカーズがステージに出ていくところで、ビートルズのポスターを踏みつけていくシーンがあってストーンズも同様にしたかったらしいがポスターを持ってなかったから出来なかったと、石井監督が語っていたのをどこかで読んだような。 「We Want The Stones」の後、ソロモン・バークのカヴァー「Everybody Needs Somebody To Love」は殆どサビ部分のみ40秒ほどで終了し、メドレーでナオミ・ネヴィル(アラン・トゥーサン)作のオーティス・レディングで有名なソウル・ナンバー「Pain In My Heart」。続いて今やロッキン・スタンダード「Route 66」でアナログはA面終了。 アナログではB面に移りハンク・スノウのカヴァーでスライドギターとブルースハープが唸る「I'm Movin' On」。このEPのハイライト・ナンバーといえる。ラストはナンカー・フェルジ(ストーンズの5人共作)名義だがボ・ディドリーの「I'm Alr...

私の放浪音楽史 Vol.71 松田聖子『CANDY』

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1982年11月、CBSソニーよりリリースのアルバム。 大滝詠一の『DEBUT AGAIN』を聴いてオリジナル歌手・ヴァージョンを集めたCD-Rを作ろうと思っていろいろCDを出したり調べたりしていたんだけど、『DEBUT AGAIN』収録曲の他に、あー松田聖子のアルバム『Candy』にも大滝詠一が曲書いてたなぁなどと思ってウィキペディアを読んでたら、細野晴臣作曲の2曲はアナログ初期盤収録とCD化されているヴァージョンが違うというのを読んで興味が横道にそれてしまった。  “タレントロボット タレントロボット 操られ人形  人の作った歌を歌って さもわかったように  騙し騙しの銭儲け”  ―アナーキー「タレントロボット」― 松田聖子のアルバム『Candy』がリリースされた1982年当時、パンクやニューウェイヴにのめり込んでいた私の芸能界への思いはアナーキーの曲「タレントロボット」の歌詞のようだったのだが、それでもテレビやラジオで頻繁に流れている歌謡曲は小さい時からずっと接していることもあり反発しながらも耳馴染みはいいので自然に覚えてしまうようなものだった。それに女性アイドルにも興味がいく年頃。まわりでは聖子だ明菜だ薬師丸だ、とみんな贔屓のアイドル歌手のレコードを集めていたものだ。 松田聖子は登場した時からテレビに出ていたというか、デビュー曲が化粧品CMソングだったから当然頻繁に耳にするわけで、そこからずーっとまぁ松田聖子の曲は聴いていた。デビュー当時のはつらつとした印象の頃はレコードを借りて聴こうという気もなかったのだが、松本隆が作詞を手掛けるようになった後の、心の陰影を織り込んだ曲を歌うようになってからは友人に借りてアルバムも聴くようになった。この『Candy』も確かMくんかWちゃんに借りたんだと思う。 以下作曲者毎に紹介。 ストリングスが流麗なアレンジの1曲目「星空のドライブ」と3曲目「未来の花嫁」、唯一収録されたシングル曲でチャート1位になった「野ばらのエチュード」が財津和夫作曲作品。「四月のラブレター」とアナログではB面1曲目のオールディーズ風&“むすんでひらいて”「Rock'n' Roll Good-bye」が大滝詠一作曲・編曲(多羅尾伴内名義)作品。時期的に大滝にとっては『イーチ・タイム』にむけての前哨戦となった。 トロピカルな3分にも満たな...

大滝詠一「Tシャツに口紅」

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2016年3月21日、ナイアガラ/ソニーからリリースのアルバム『DEBUT AGAIN』より。 コニー・フランシスの「カラーに口紅」をもじったタイトルなんだろう、英語にするなら “Lipstick On Your T-shirt” になるんかな。コニー・フランシスの「カラーに口紅」は “ダンスパーティでソーダを買いに行ってくるって離れた彼氏が口紅を襟に付けて戻ってきた。 彼女(歌の主人公)はその口紅は誰のものなのか、その口紅の色からして親友のメリージェーンといちゃついてきたんじゃないでしょうね” って詰め寄る内容。 だけど「Tシャツに口紅」には、口紅が付いているから咎めるとか、それは誰の口紅なんだ、とか “口紅” にまつわる説明的な歌詞が無い。ただ “色褪せたTシャツに口紅” だけである。だからTシャツについた口紅が誰のものか、別れ話はTシャツについた口紅が原因なのか、すっきりしないものをずーっと感じていた。 大滝詠一が歌うヴァージョンを聴きながら、もしかしてこの曲は男と浮気相手の女性との関係を歌った/表現した曲なんじゃないか、と思うようになった(つまり「カラーに口紅」でいうところのメリージェーンと彼氏の関係)。 夏の夜明け、海辺で彼女をきつく抱きしめる男、彼女の口紅が男の色褪せたTシャツにつく…。 彼女は浮気相手、始まりは真剣じゃなかったはず…表向きの生活を忘れられる長い付き合いだが、いつまでもこの関係を続けられるはずもない。かなわぬ恋の相手を続けさせては彼女を不幸にしてしまうのは分かっている。だけど…離れられない…。てな内容なんじゃないだろうか。ずいぶん下世話な説明になったけど。この後、男の妻だか本命の恋人だかにTシャツの口紅を咎められるはめになるのか、は依然として不明だ。 まぁこんな事を個人的に考えてみたわけだが、松本隆の歌詞はスマートでメロディにのると耳馴染みが良いが意味深くもあり、人の心の奥深くに隠れている感情を掬い出してみせる時がある。「Tシャツと口紅」で言えば “不幸の意味を知っているの?なんて ふと顔をあげて なじるように言ったね”  というところ。そう、微かな背徳を感じさせる。 ラッツ&スターのソウルフルなヴァージョンもいいが、大滝ヴァージョンはアコースティック・ギターのストロークが目立ち、コーラスが季節感ぴったり、曲の後半、大滝の静かなエ...

日本脳炎「流線型」

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これは並べておきたい動画。 日本脳炎でもっともポップな楽曲「流線形」にのせて、石井聰亙監督『狂い咲きサンダーロード』のシーンをメインに、『Hard Hit Virus』や『Dead Heat Disco』に収録されている日本脳炎の演奏シーンやプロモ・ビデオも使用、さらに柳町光男監督・1976年公開のドキュメンタリー映画『ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR』からのシーンも織り交ぜながら作られている。 『狂い咲きサンダーロード』のヴィヴィッドでスピーディなシーンと、ビルディングに切り取られた“流線形”の夜空の下を駆け抜けるモノクロの映像がマッチしている。

日本脳炎「BACILLUS BRAIN」

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よくできた『爆裂都市』のダイジェストともいえる。“We Want Battle!”から1984の「ソルジャー」をイントロに日本脳炎の「Bacillus Brain」にのせて。 “20000Vでぶち込め!” ラストの黒沼&ブルーのシーンで流れるのはThe Bacillus Brains「Temptation Feelin'」。

私の放浪音楽史 Vol.70 『爆裂都市 BURST CITY ORIGINAL SOUND TRACK ALBUM』

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1982年3月5日、SEE-SAW/キャニオンよりリリースのアルバム。 1982年3月に劇場公開された石井聰亙監督の映画『爆裂都市 バーストシティ』のオリジナル・サウンド・トラック・アルバム。映画は公開時には観に行ってないが(たぶん近くの映画館では上映されてなかったんだろう)、このサントラはリリースされてすぐに聴いたんじゃないかな。たぶんKBちゃんに借りたんだと思う。 ルースターズとロッカーズの混成バンド、バトル・ロッカーズの楽曲が7曲、ルースターズの花田、井上、池畑、当時ルースターズのプロデューサーだった柏木省三を中心にしたユニット1984の楽曲が3曲、ザ・ロッカーズの楽曲が3曲、陣内のソロ名義で1曲、という内容。収録曲は下記の通り。 1.ソルジャー/1984 2.セル ナンバー 8(第8病棟)/バトルロッカーズ 3.ワイルド・スーパーマーケット/バトルロッカーズ 4.シャープシューズでケリ上げろ!/ザ・ロッカーズ 5.プア ボーイ/ザ・ロッカーズ 6.ソロー/1984 7.シスターダークネス/バトルロッカーズ 8.視界ゼロの女(マチ)/陣内孝則 9.キックス/1984 10.マイト ガイ/ザ・ロッカーズ 11.バチラス ボンブ(細菌爆弾)/バトルロッカーズ 12.フラストレーション/バトルロッカーズ 13.ボロボロ/バトルロッカーズ 14.セル ナンバー 8(第8病棟)リプリーズ/バトルロッカーズ バトル・ロッカーズはVo.陣内孝則、G.鶴川仁美がロッカーズから、G.大江慎也、Ds.池畑潤二がルースターズから、B.伊勢田勇人がオーディションで参加、というメンバー(レコーディングではルースターズの井上富雄がベースを弾いているという話をロフトプラスワンで聞いた気がする、 まぁそりゃそうだろうね…)。 映画を代表する曲ともいえるバトル・ロッカーズの「セル ナンバー8(第8病棟)」はオープニングのバトル・ロッカーズの演奏シーンで使われている曲。 “注射器の味”や“カプセルの味”が忘れられないというドラッギーな内容が自主規制させたのか、サントラ盤には歌詞が掲載されていない陣内孝則作詞のナンバー。そのカッ飛んだかっこよさに度肝を抜かれたものだが、ある時小さなレコード評を目にする。 1995年に発売された『Rock'n'Roll』という雑誌クロスビートの増刊号...

DAVID BOWIE「I CAN'T GIVE EVERYTHING AWAY」

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2016年1月8日、ソニーからリリースのアルバム『★』より。 ボウイのアルバムを購入したのは1995年の『アウトサイド』以来だ。まぁ熱心なボウイ・ファンという訳でもなかったわけだが、最新作『★』はどの雑誌も高評価。これは聴いてみたくなる。 アルバムの制作に関してはいろんなところで書かれているが、現代ジャズ・ミュージシャンの起用は当たっている。緻密で尖鋭的なドラマー、マーク・ジュリアナの参加がサウンドへの影響大だ。ボウイとのマッチングはバッチリ。過去のエレクトロニカ/インダストリアルな作風も取り込みながら、ボウイ・クラシック的なスパイスもありつつモダンで緊張感のある刺激的な音作りに成功している。 ダークで息詰まるトーンのタイトル・トラック「★」。4分過ぎのスペイシーな展開が見事だ。 「'Tis A Pity She Was A Whore」はビッグ・バンドなポップソングという意味では1983年「レッツ・ダンス」の発展形・21世紀版といえるかも。PVも衝撃的だった「Lazarus」。ベースラインも耳に残る。インダストリアルな「Sue (Or In A Season Of Crime)」。エレクトロニカな「Girl Loves Me」。静謐でフォーキーな雰囲気もある「Dollar Days」は初期ボウイを思わずにはいられないメロディアスなナンバー。どれもバラエティに富んでいて飽きさせることがない。 このアルバムからとりあげた1曲は「I Can't Give Everything Away」。 流れるようなメロディをもったアルバムラストの曲だ。 この曲のタイトルが、よく“私は全てを与えられない”ってリスナーに向けたメッセージだって言うけど、すべてを与えられないことぐらいボウイ自身わかってることだし、わざわざ自分が病魔と闘いながら制作したアルバムの最後に、アルバムを買ったリスナーに向かって偉そうに言うか?という感じはする。単純にボウイの言葉ではなく曲の主人公の言葉としてとらえるべきかもしれないし、もっとボウイのパーソナルな人に向けたメッセージなのかもしれない。 私がこの曲を聴いて感じたのは、むしろボウイが死を予感した最後の言葉なら、命を奪う神/死神に向かって“私は最後となるかもしれない作品を残した。そして過去には多くの作品も。 その長い年月にリスナーとオーディ...

『CROSSBEAT Special Edition 増補改訂版 デヴィッド・ボウイ』

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2016年2月、シンコーミュージック刊。 2013年にシンコーミュージックが刊行したムック『CROSSBEAT Special Edition デヴィッド・ボウイ』をもとに、遺作となってしまった新作アルバム『★』の内容や亡くなった直後の情報、 追悼コメント、追悼文などを追加、2016年迄のボウイの辿った歩みを網羅し増補改訂版として緊急出版。 シンコーミュージックが発行していた、今はなき“ミュージック・ライフ”、“クロスビート”といった音楽雑誌の財産が活かされ、ボウイの73年初来日時のインタビューや写真(黒柳徹子と写るボウイ!)、78年、83年の来日時のインタビューを交えたボウイ・ヒストリーは読み応えあり。通算7回のボウイ・ライヴ・イン・ジャパンの記事も日程や、どの日のものかわからないがセットリストも記載され興味深い。大きめのジャケ写を使ったオリジナルアルバムのディスコグラフィ、その他ライヴ盤やビデオ作品なども紹介、関係者名鑑など、全216ページ。 ボウイが日本に滞在中、P-MODELやノー・コメンツをライヴ・ハウス(サーカスサーカスや拾得)へ見に行ってたとは驚き。平沢進がボウイに対してとった行動も意外なものだった…。 そんなミュージシャン達のコメントや、このムックを作った音楽ライター達それぞれのボウイとの思い出、ボウイからの影響、ボウイの作品やライヴに対する姿勢、ボウイへの感謝が表れた心からの追悼文が胸に沁みる。 2003年のインタビューでは、ボウイが“Changing horses midstream"と自己の性格を表現していたり、 “僕等は音楽に関してはジェネレーション・ギャップが一切存在しない初めての世代” と若い世代の音楽的な魅力に理解をし続けていたボウイならではの世代分析も興味深いものだ。

BAUHAUS「ZIGGY STARDUST」

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やはりボウイのカヴァーというとバウハウスだろう。1982年リリースのシングル。 たぶん少したってからテレビでプロモ・ヴィデオを見たのが最初と思う。ボウイのオリジナルよりこっちを先に聴いたかも。で、ここからデイヴィッド・ボウイへ辿って行ったと。バウハウスのヴァージョンはオリジナルに忠実なアレンジだけど、独特なピーター・マーフィーの声質と鋭利なサウンドでこの有名曲をバウハウスのものにするのに成功している。ボウイ愛にあふれているね。このプロモ・ヴィデオもダークな感じでかっこいい。 バウハウスのトレードマークの顔に(アラジン・セインの)稲妻を重ねたジャケのシングル。 私の持っているレコードは12インチでブライアン・イーノのカヴァー「Third Uncle」(7インチのB面収録曲)、オリジナルの「Party of The First Part」の他、ニコをゲスト・ヴォーカルに迎えたヴェルヴェッツの「Waiting For My Man」のライヴ・ヴァージョンを収録している。

『rockin'on 2016年3月号 追悼特集 デヴィッド・ボウイ 1947-2016』

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2016年2月、rockin'on社刊。 ロッキンオンでデヴィッド・ボウイの追悼特集。ついつい買ってしまう。表紙(フォトby鋤田正義)につられて。フォト多し。日本家屋の前でのボウイや阪急電車(?)の前のボウイ…うーんエイリアンな雰囲気。今年の誕生日(死の2日前)に写したというジミー・キングによるボウイのおどけた表情のフォトに強い生命力を感じるなぁ。 ロッキンオンがおこなったインタビューを2003年、2002年、1997年、1978年と4本再掲載。どれも面白いが1978年来日時のインタビューで、日本で歌う時の言葉の障害について聞かれ、 “言葉は日本に限らず総体的に障害になっています。言葉はコミュニケーションにおける最も不明瞭な方法です”って答えてるのが、さすがだなぁと。世界的なシンガー/パフォーマーは違う。 1997年のインタビューでは“僕のアイディアに相応しい服を着せるのが僕の音楽なんだ”というのが納得のチェンジズ・ボウイ。他は評論家・ライターが語るボウイ音楽との出会い、その影響力について。渋谷陽一が語るラスト・アルバム『★』。まぁロッキンオンなのでオリジナル・アルバム・ディスコグラフィは軽くジャケ写のみ。47ページの特集。 オヤジ達が買うのを見越してか、他には70年後半を振り返るストーンズのインタビュー。 それにルー・リードのアルバム『ベルリン』再現ライヴ時の2006年インタビュー。丁々発止なやりとりでルーのさまざま表現方法からドラッグ、替え玉コンサートについてまで語られた読み応えのあるインタビューだ。 オアシスのノエル・ギャラガー1997年のインタビュー。頂点に上り詰めた時の傲慢とも思える内容だが、以前このページでも紹介した「Don't Look Back In Anger」の歌詞 “Don't put your life in the hands of a rock and roll band”  のノエル自身の解説があって興味深い。このフレーズは気が利いたいい歌詞だよ、本当に。あぁオアシスもボウイの「ヒーローズ」カヴァーしてたっけ。シングル「D'You Know What I Mean?」のカップリングか。確か持ってたな、聴いてみるか。

『レコード・コレクターズ2016年3月号 追悼特集 デイヴィッド・ボウイ』

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2016年2月、ミュージック・マガジン社刊。 レコード・コレクターズでデイヴィッド・ボウイの追悼特集。 基本のオリジナル・アルバム・ディスコグラフィ、日本のミュージシャンや音楽評論家によるボウイ私の一枚、ニュー・ミュージック・マガジンの1979年2月号に掲載されていたボウイと坂本龍一の対談の再掲載、鋤田正義のフォトメモリー(73年と78年の日本のステージ写真が特にいい!)など、約70ページの特集。 個人的には日本盤7インチがカラーで掲載されているのが見どころだった。 表紙の神秘的な表情のボウイは、デッカがジャケットを差し替えて1973年に再リリースしたコンピ『The World of David Bowie』のジャケットで使われた写真。そういえば映画『クリスチーネ・F』で主人公がボウイのレコード(『ChangesOneBowie』)をプレゼントされるものの、 “これ持ってるし.…”という感じでレコードをしまうシーンでチラリと『The World of David Bowie』が映っていた。一度見ると忘れられない印象的なジャケットだった。 ミュージック・マガジンからは過去のレココレやミュージック・マガジンの記事を集めた追悼増刊号も3月に出版される予定。

『ユリイカ 2016年2月臨時増刊号*総特集 江口寿史』

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2016年1月、青土社刊。 雑誌『ユリイカ』で江口寿史をまるまる1冊取り上げた増刊号が発売された。 江口漫画がどんな文章で解析されているか興味あって購入したが、「ちばてつや×江口寿史の対談」、「集英社歴代担当編集者の座談会」、「江口寿史・音楽と漫画を語る・インタビュー」は川崎や明大で開催されていた展覧会関連で行われたイベントを掲載したもの。ちばてつやとの対談は江口のルーツと漫画に対する姿勢を、編集者座談会は漫画雑誌編集の裏側を、江口へのインタビューはエンケン、拓郎、DEVO、XTC、ムーンライダーズ、ユーミン、佐野元春、アイドルまで名前が挙がる音楽遍歴を知ることが出来る。コマ割りから視線の動き、セリフの読ませ方などコミュニケーション論でアカデミックに分析したものから、同業者の愛あるリスペクト文、リスペクト・イラスト、山上たつひことの往復FAX書簡、お約束の江口漫画年表など、ボリュームたっぷりの内容。 多くの評者が江口の手法について、江口自身の興味があるものを漫画を通して紹介するDJ的、自身の好きなものを取り込むサンプリング的、またそれらを自身の表現として再構成するリミックス的な手法の先駆けと位置付ける。 これらの評価はなるほどと思わせるものだが、日本の漫画文化が手塚治虫から綿々と続いている先人たちの真似(リスペクトというんじゃなくコピー表現、江口の場合その端緒はちばてつや)をすることによって磨かれていった表現でもあることが言えると思う。2015年にNHK Eテレで放送された『浦沢直樹の満勉』を見ていても思ったが、自分が先人達が描いた漫画からの影響を隠そうとしない、それを指摘されても否定しない、真似から始めた事をなんの衒いもなく言い切ることが潔かった。真似て真似て描き続け、消化し、自らの骨肉化し、やがて作者独自の表現へ、さらに洗練されたオリジナルな表現へ。江口に限らず多くの優れた漫画家が辿る道筋じゃないのかな。このあたりパクリ論争が喧しい音楽・楽曲関係とは読者・受け手の意識(その文化に対する歴史観・ルーツ意識かな)が違うんだろう。 個人的にはバンド・デシネ(フランス語圏の漫画)からの影響を考察した原正人「江口寿史とバンド・デシネ」も面白かった。 それにしてもパイレーツの “人はわしを畑のパンクロッカーと呼ぶだよ”♪あ けんけんのぉ♪さていすふぁくしおん♪ あけちゃ♪あ...