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OMNIBUS a Go Go Vol.78『NEW YORK THRASH』

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1982年にカセットレーベルROIRからリリースされたコンピレーション。日本では1993年にCD化された。ライブの度に騒乱となりワシントンDCを追い出されていたバッド・ブレインズを含む、ニューヨークを拠点に活動していたハードコア・パンク・バンドを集めている。 バッド・ブレインズは1980年にシングル「Pay To Cum」をリリース、倍速のラモーンズを目指しながらも、確かな演奏力に裏打ちされた表現力で楽曲は変化に富み、パンク・ファンの度肝を抜いた。このコンピには「Regulator」と「Big Take Over」を収録。2曲とも “Alternative Versions, recorded Fall 1981” とクレジットされているが、やはりROIRから1982年リリースしたカセットアルバム『Bad Brains』収録のものと同じ気がする。どちらも素晴らしいパンクチューン。特に「Big Take Over」はその加速感に痺れる。 Voスクリーミング・マッド・ジョージ、Bイケダ・ヒサシ、Dナカニシ・ジュンという日本人がメンバーのザ・マッドは「I Hate Music」と「The Hell」の2曲。ハードコアというよりオーソドックスなパンク・チューンながらユニークな味付け。ボンズでクラッシュの前座を務めたというクラウトは、そのクラッシュ・タイプのパンクチューン「Getaway」と、ハードコアな「Last Chance」の2曲。ハート・アタックはNYHC初といわれる1981年リリースのシングルに収録されていた「God Is Dead」と「Shotgun」。ギターのトーンがかっこいい。 ミスフィッツにいたボビー・スティールが結成したアンデッドは「Social Reason」、「Nightmare」の2曲で1982年のリハーサルテイクのようだ。ノイジーなギターが聴ける。熱血ボーカルのファルス・プロフェッツはマイナーコードの「Taxidermist」が耳に残る。アドレナリンO.D.は日本のSSみたいな「Paul's Not Home」が面白い。バッド・ブレインズの影響を受けハードコアを演奏していた最初期のビースティー・ボーイズは「Riot Fight」、「Beastie」の2曲。どちらも1分に満たないショート・チューン。 その他、イーヴン・ワース、フィエンズ、ニヒ...

OMNIBUS a Go Go Vol.77『PUNK AND DISORDERLY』

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1981年にアブストラクト・レコードからリリースされたハードコア・パンクのコンピレーション。 個人的にはオリジナル・パンクからニュー・ウェイブへ移行していったクチなので、ハードコア・パンクが勃興してきた1980年代前半当時には殆どハードコアは聴いていないのだが、このアルバムは借りて聴いた覚えがある。 1970年代末に聴いていたハード・ロック/ヘヴィ・メタルの否定からパンクを経験した身にとっては、まぁ速さ、メロディ無しはともかく、音色としてハード、メタル色が濃くなっていったのは当時個人的には受け入れられなかったんだと思う。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやドアーズなんかのサイケデリックな音楽やアコースティックな音色、ジャズや民俗音楽との融合、デジタル・ビートなんかに興味が移っていた。ハードコア・パンクはずっと後になってから進んで聴くようになったのだけれど(ハード・ロックやヘヴィ・メタルもまた聴くようになった)。 右上のジャケ写は1988年リリースのCD盤のもの。オリジナルのジャケは黒地にピンクのタイトル文字だった。鋲付き革ジャン、スパイキー&モヒカンヘアのパンクス男女が佇むジャケットからもハードコアという雰囲気が漂ってくるが、内容はそれほど “アルバムまるごとハードコアの塊”っていう感じでもない。 当時は珍しかった女性ボーカルのベキ擁するヴァイス・スクワッドの1stシングル曲「Last Rockers」に始まり、キャッチーなパワーポップといってもよいアディクツの「Straight Jacket」、UKディケイの「For My Country」はバウハウス系のダークな雰囲気を漂わせる曲だが、よく練られたアレンジだ。 レッド・アラート「In Britain」やブリッツ「Someones Gonna Die」のOi!系もあり。あとパルチザンズの「Police Story」、聴かせるメロディのDEMOB「No Room For You」、アブレイシヴ・ウィールズの「Army Song」、どれも激しくもシンガロングでキャッチーなパンクチューン。このあたりもOi!系に入るのかな。 ノイズ・コアのディスオーダー「Complete Disorder」(1stEP収録曲)、カオスUKの『Burning Britain EP』に収録されていた「4 Minute Warning」。198...

『THE DIG Special Edition THE CLASH featuring JOE STRUMMER』

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これもジョー・ストラマー没後10年という節目で2012年12月19日発売となったムック。発行はシンコーミュージック。雑誌THE DIGの増刊というかたちだ。THE DIGはクラッシュ、ジョー・ストラマー関連ではジョー訃報時、シングルボックス発売時に続き3冊目のムックとなる。 今回はDVD『THE RISE AND FALL OF THE CLASH』にあわせて、ミック脱退後の5人組クラッシュに焦点をあててもいて、当時のインタビュー再掲載もあり。 個人的にこの頃のクラッシュについて思い出してみると、 トッパー・ヒードン、続いてミック・ジョーンズとバンドを追い出した事(もちろん当時は詳しい事情は知らなかったが)には非常に驚き、5人組になったニュースは聞いたものの、この5人組クラッシュの情報はほとんど無く、やがて発売されたアルバム『カット・ザ・クラップ』は聴いたが、そのサウンドにはがっかりしたというか、もはやこれまでというあきらめのような気持ちを持った事を憶えている。12インチでリリースされた「This Is England」のカップリングに収録されていた、 ロカビリースタイルの「Sex Mad Roar」が気に入ったくらいだった。シングルの大貫憲章のライナーノーツも新生クラッシュのサウンドに懐疑的だった。なので、なんの思い入れもなく5人組クラッシュは無かった事になっていたのだが…。 いつ頃だろうか、かなり後に『GIVE 'EM ENOUGH DOPE』というブートCDを入手、ミック在籍時の来日公演のライブと5人組クラッシュの1984年5月アメリカ公演のライブを収録したもので、アメリカ公演のトラックでは、『カット・ザ・クラップ』にも収録されていた「Are Your Ready For War?」や「Three Card Trick」、12インチの「Sex Mad Roar」、未発表曲の「In The Pouring Rain」(後に『The Future Is Unwritten』に収録)を聴く事が出来、印象は『カット・ザ・クラップ』とは大きく異なるものだった。オーヴァードライブしたギター2本のサウンドと豪快でパワフルなピートのドラミングは、クラッシュのセカンド・アルバム『動乱』に似てハードなもので、アルバム収録曲もなかなかかっこいいじゃないかと思ったものだ。 そ...

映画『THE RISE AND FALL OF THE CLASH』

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2012年12月19日リリースのドキュメンタリーDVD。 タイトルにあるように、クラッシュの成功と栄光へと昇りつめる様とその後の凋落と崩壊を描いた作品。ジョー・ストラマー没後10年という節目での発売となるが、なかなか厳しい内容だ。 メンバーだったミック・ジョーンズ、ピート・ハワード、ヴィンス・テイラー、ニック・シェパードとバンド関係者、タイモン・ドッグ、パール・ハーバー、ヴィック・ゴダードら友人により語られているのは、クラッシュのマネージャー、バーニー・ローズを軸としたグループの戦略、メンバーの対立、経済的な問題等(バーニー本人の発言は無い)。バンド結成からトッパー脱退までが前半、バンド内対立からミック脱退、5人組として再出発するもののバンド崩壊までが後半といった感じで全101分の作品。それぞれの発言は興味深いものだ。このDVDのテーマともいえる『コンバット・ロック』録音時の未発表インストナンバー「Walk Evil Talk」(トッパー作)が細切れながら随所で聴く事が出来る。 見ていて浮かび上がってきたのは、バンドが成功へと昇りつめていく過程でマネージャーだったバーニーをクビにした後、メンバー自ら主導権を握って傑作2枚組アルバム『ロンドン・コーリング』を作り上げ、さらに長大な実験作の3枚組『サンディニスタ』を安価にリリースした後、音楽的には自由な活動ができたものの経済的に行き詰まっており、ジョーは状況を打開する為、かつて成功をともにしたバーニーをマネージャーに呼び戻す事を決意、戻ったバーニーはアメリカでの認知度を上げ、アルバム『コンバット・ロック』で更なる栄光を手中にするものの、再びバンドの創作活動に干渉しており、それがメンバー間の対立を煽っていった事だ。 やがてミックをバンドから追い出す事態に至り、音楽制作的に大きな支柱を失う。マネージャーが創作活動に大きく関与する迷走した状態のままクラッシュは解散した。 面白かったのはピートやヴィンスがイエスやジェネシスが好きで、他人に見られないようフレーズを弾いていたそうだ。当時パンクスにとってプログレッシブ・ロックはほぼ全否定されていたから無理もないが。淡々と思い出をなぞるように語るミックの静かな佇まいが印象的だ。これまで幾つかのDVDでも見られたが、やはり自分の制作活動をやりきった事に対する表れでもあるのか、突然の解雇と...

OMNIBUS a Go Go Vol.76『GHOSTS OF CHRISTMAS PAST』

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クリスマス・シーズン。クリスマス・ソング。 今では邦楽でも洋楽でも沢山の楽曲があり、毎年新しい楽曲が生まれているが、私がパンク/ニュー・ウェイブに夢中になっていた1980年代前期には、トラディショナルなクリスマス・ソング(例えばビング・クロスビーとか)の他にはそれほど日本人一般には馴染みがなかったのではないか。(パンクが好きで、クリスチャンでも無い奴にそんな物が必要なのかという話しもあるけど)。 ロックを聴く人にはジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」(1971年)か。日本のポップスではユーミンの「恋人がサンタクロース」(1980年)とか。山下達郎の「クリスマス・イブ」は1983年リリースのアルバム収録曲でヒットはもう少し先になる。洋楽の定番といってもよいスプリングスティーン、U2、ホイットニーやスティングなんかが収録されている『A Very Special Christmas』のリリースは1987年だ。1984年リリースのワム!「ラスト・クリスマス」やバンド・エイド「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」あたりから、日本の中でもクリスマス・ソングへのニーズが急速に高まり、定着したんじゃないかという気がする。日本では一般的にクリスマス自体、宗教的な意味を含まず、祝祭的なイメージを膨らませ、消費を促す特別な日として盛り上がっていったように思う。そのアイテムとしてクリスマス・ソングも活躍した。 『ゴースト・オブ・クリスマス・パスト』はベルギーのインディ・レーベル、クレプスキュールが1981年にリリースしたクリスマス・アルバム。こういったアルバムはキリスト教圏の彼の地では、毎年シーズンになるといろいろと出されているのだろうけど、このアルバムもジャケットや収録曲を変えて数種類リリースされている。1988年にはクレプスキュールからCD化、日本では1989年にCDリリースされた(右上のジャケ写は日本盤ジャケ、本国で1986年に再リリースしたアナログと同じデザインと思われるが、1981年リリースのオリジナルのツリージャケが一番良い)。 ファクトリー・ベネルクスから発展したクレプスキュールらしく、ただのパーティ・アルバムにはなっていない。クリスマスにしてはダークなタキシード・ムーンやキャバレー・ヴォルテール、実験的なマイケル・ナイマン等を含みつつ、注目曲は“ホワイト・クリスマス...

OMNIBUS a Go Go Vol.75『PILLOWS & PRAYERS』

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イギリスのインディ、チェリー・レッド・レコードから1982年12月にリリースされたコンピレーション。チェリー・レッドはイアン・マクネイとリチャード・ジョーンズによって1978年に創立、同年6月にThe Tightsというパンク・バンドの7インチ・レコードが第1弾リリースだった。 『Pillows & Prayers』はA&Rとしてチェリー・レッドに参加していたマイク・オールウェイが企画、1982年時点でのレーベル・パッケージといえるアルバム。彼はイアンにアルバムの売価を1ポンド以下にする事を提案、イアンはこのコンピレーション・アルバムをプロモーション・プロジェクトと位置づけ、アーティストに対する印税支払いを無くす同意を取り付けることで制作コストを安く抑える事ができた。オリジナル英盤のスリーブ右上には“PAY NO MORE THAN 99p”と印刷されている(日本盤LPはそれほど廉価ではなく定価2,000円だった)。 このアルバムを初めて聴いたのは、たぶん1984年頃、輸入盤を友人から借りたんだと思う。エコー&ザ・バニーメンやジョイ・ディヴィジョン、バウハウス、ザ・スミス、アズテック・カメラなんかのニュー・ウェイブを聴いていた時で、それらのグループと聴き比べるとハンドメイドな印象を受けた覚えがある。アコースティック・ギターやノン・エフェクトのエレキ、リズム・ボックスを使った楽曲や、小さな部屋で録音されたような(宅録的な、手っ取り早く言うとヘタウマ的、DIYな)音響を感じさせるパーソナルなイメージだった。 中でも特に印象に残ったのは、ベン・ワット「Some Things Don't Matter」、エブリシング・バット・ザ・ガール「On My Mind」で、ニュー・ウェイブを聴いていた自分がボサノヴァを意識したのってこのコンピなんじゃないかと思う(それかスタイル・カウンシルの『カフェ・ブリュ』)。アコースティックでナチュラルな録音が気に入り、チェリー・レッドから出ていたトレイシー・ソーンのアルバム『ア・ディスタント・ショア』を購入、かなり愛聴した。 他にはトレイシー・ソーンが在籍していた女子3人組マリン・ガールズ、ネオ・サイケデリックのフェルト、ユニークなモノクローム・セット、手作り感のあるサウンドのアイレス・イン・ギャザ、 ポエトリー・リーデ...

ECHO & THE BUNNYMEN「NOCTURAL ME」

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2009年5月リリースのアルバム『Ocean Rain Live 2008』より。 イアンのソロ再発と一緒に気付いたのがこれ。 エコー&ザ・バニーメンのオフィシャル・サイトで販売されていたライブ・アルバムCDで、 2008年12月27日、地元リヴァプール・エコー・アリーナでおこなわれた、アルバム『オーシャン・レイン』(1984年リリース)再現ライブを収録。CDの販売は既に終了しているが、iTunesで配信されているので聴く事が出来た(Amazonでもダウンロード販売がある)。 異論もあろうがアルバム『オーシャン・レイン』がバニーズのひとつの到達点である事は間違いないだろう。個人的にはこのアルバムが最高傑作と思っている。 「Silver」、「Killing Moon」、「Seven Seas」という必殺のシングル3枚を含み、他にも「Crystal Days」、「My Kingdom」、タイトルトラック「Ocean Rain」というアコースティックな雰囲気の柔らかな名曲があり、変則ボ・ビートでドアーズに通じる迫力ある演奏の「Thorn of Crowns」、映画音楽のような不思議な「The Yo-Yo Man」、この2曲はネオ・サイケデリックと呼ばれたバニーズの面目躍如といったところ。 オーケストラによる弦の響きが緊張感を生む「Nocturnal Me」はアルバムでは2曲目に配され、オープニングの「Silver」と3曲目「Crystal Days」というポップな曲を繋ぐダークでメランコリックで重層な佳曲。 そう、全9曲が素晴らしく、曲の並びも含め、ジャケットから演奏の内容までパッケージされた全てに必然性が感じられる稀有なアルバムだ。イアン・マッカロクにとってもこのアルバムは特別の思い入れがあるに違いない。 再現ライブ・アルバムから選んだのは「Nocturnal Me」。これまでこの曲のライブ・バージョンは聴いた事がなかったし、緊張感のあるアレンジはそのままだ。イアン・マッカロクのボーカルは年相応の衰えを感じさせるが、それさえも枯れたものとしての魅力を感じさせてくれるライブ・バージョンだ。 他のトラックでは大合唱が起こる「Killing Moon」、「Ocean Rain」。前者は “うーん皆歌うか…”と感じ、後者は “皆に愛されている曲だ ”と思った。ただ、このライブ盤...

IAN McCULLOCH「BIRDY」

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2012年9月リイシューのアルバム『MYSTERIO Deluxe 2CD Edition』より。 イアン・マッカロクが1992年にリリースした2枚目のソロ・アルバム『ミステリオ』も前作同様ボーナストラック追加、2CD仕様で再発されている。 このアルバムを聴くのは初めて。『キャンドルランド』は気に入っていたと思うし、来日公演も多分楽しめたと思うのだが、1992年当時はバニーズ関係はもういいかなぁという感じで買わなかったんだろう。1990年にはイアン抜きのバニーズ(ノエル・バークがボーカリスト、デイモン・リースがドラム)のアルバムが出たり(一応聴いた)、イアンと他のバニーズのメンバーの確執もあったりで興味は他に移っていたんだと思う。そんなことで1990年の後購入したバニーズ関係の音源は91年にリリースされたBBCライブ、4枚組コンピ『クリスタル・デイズ』(2001年)、『ライブ・イン・リヴァプール』(2002年)、25周年のエキスパンド・オリジナル・アルバム・シリーズ(2003年)くらい。 前作『キャンドルランド』で強かったジェントルな面は影を潜め、ダンサブルでコンテンポラリーな意識もあり、打ち込みサウンドの使用も継続しつつ、バンドサウンドに戻ったように思えるが、その分かつてのバニーズとの比較をしてしまう曲もあり、焦点が絞りきれていない印象。まぁ全体的に悪くは無いが、これだといえる曲を選ぶのも難しい。 シングルにもなった「Lover Lover Lover」これが一番の気もするけどレナード・コーエンのカバーだし、 コクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーがバッキング・ボーカル、ロビン・ガスリーのプロデュース、アズテック・カメラのロディ・フレイムがギターで参加している「Heaven's Gate」、これも少し弱い。 というわけでCDシングル「Lover Lover Lover」のカップリング曲で、このリイシュー盤ではディスク2に収められている「Birdy」という曲を選んだ。この曲のプロデュースはコクトー・ツインズのロビンで、前作にも通じる静謐でジェントリーでメロディアスな曲。イントロのライド・シンバルに絡まるギターの音色、深いイアンのボイス、これがやはりイアン・マッカロクの世界ともいえる。 結局ソロのイアンにはこういう曲を望んでしまうな…。この曲にもエリザベス...

IAN McCULLOCH「CANDLELAND」

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2012年9月リイシューのアルバム『CANDLELAND Deluxe 2CD Edition』より。 下のオムニバス『To The Shores Of Lake Placid』紹介の時にエコー&ザ・バニーメンの情報などをネットで見てたらイアン・マッカロクが1989年にリリースした初のソロ・アルバム『キャンドルランド』が ボーナストラック追加、2CD仕様で再発されているのを発見、早速購入。 エコー&ザ・バニーメンは多分1983年頃にアルバム『ポーキュパイン』を購入して気に入り、他のアルバムやシングルを集め、来日公演も行く当時一番入れ込んでた洋楽のバンドだった。1988年頃にイアンがバンドを離れ、ドラマーのピート・デ・フレイタスがバイクの事故で亡くなった時は、もうこの4人の演奏が聴けないのかと非常に残念に思った事を憶えている。イアンの甘美なボイス、ウィル・サージェントの鋭くも表現力豊かなギター・プレイもさることながら、ピートとベースのレス・パティンソンの鉄壁とも言える強力なリズム隊は非常に魅力的だったから…。 このイアンのソロ作はリリース時に購入、12インチやCDシングルも買ったし、その後1990年の来日公演にも行った(名義はイアン・マッカロク&ザ・プロディガル・サンズ、バニーズの曲も数曲演奏した)。今回のリイシューは『キャンドルランド』とアルバムからの7インチ、12インチ、CDシングルのカップリング曲、別バージョン、リミックス・バージョンを追加したもので、更に1984年にリリースされたイアンとしては初のソロ・シングル「セプテンバー・ソング」2ヴァージョンとカップリング曲も収録された豪華版。 1989年に初めてこのアルバムを聴いた時にはバニーズの5枚目にあたる1987年のセルフ・タイトルのアルバムの延長上にあり、ピートとイアンの父親の他界という悲しい出来事を乗り越えて静謐な中にも伸びやかさがあるという印象を持ったが、今回あらためて聴いて受ける感じは変わらなかったのだけれど、かなり久しぶりに聴いた事もあり、当時のいろいろな(個人的な)事柄が思い出されて感慨に耽ってしまった。 「The Flickering Wall」や「Proud To Fall」、「I Know You Well」、「Start Again」といったジェントルな曲が並び、中には「Fai...

OMNIBUS a Go Go Vol.74『TO THE SHORES OF LAKE PLACID』

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イギリスのインディ、ZOOレコードから1982年3月にリリースされたコンピレーション。ZOOはビル・ドラモンド、デビッド・バルフによって1978年に創立され、 2人が関わっていたビッグ・イン・ジャパンを皮切りに、ティアドロップ・エクスプローズ、エコー&ザ・バニーメン、ロリ&ザ・カメレオンズ、ゾーズ・ノーティ・ランプス等リバプール周辺のバンドのレコードをリリースしていた。 このコンピレーションはZOOがリリースした楽曲やビル・ドラモンド&デビッド・バルフ達が制作に関わっていた楽曲(当時の未発表曲を含む)を集めたもので、個人的には1980年代に入れ込んでいたエコー&ザ・バニーメンの曲を目当てに、確か雑誌DOLLかなにかに載っていたバニーズのディスコグラフィ(それも1ページにまとめたもの)にこのコンピがあると知って、探して中古で購入。このままでのCD化はされていないと思う。アナログのフロント・ジャケットの“ZOO”の文字はエンボス加工されていた。 バニーズはまだイアンとウィル、レスの3人とドラムマシーン“エコー”を使用している最初期の録音で、ZOOレコードからリリースしたバニーズの1stシングル「The Pictures On My Wall c/w Read It In Books」の両面を収録している。このシングル・バージョンは今では再発もされてるし、4枚組『Crystal Days 1979-1999』でも聴けるけど、当時なかなか目にしたことは無く、あっても結構な値段していたので、ドラムレスでイアン達の青白い炎が揺らめくような演奏の「The Pictures~」と素朴なドラムマシーンの音色の「Read It~」が聴けた時はうれしかった。バニーズは他に「Villiers Terrace」のBBC“John Peel Session”のためのライブバージョンが収録されている。このBBCライブも3人と“エコー”のバージョンでデビッド・バルフがピアノで参加している。 ここに収録されているバニーズの「Read It In Books」はティアドロップ・エクスプローズのジュリアン・コープとの共作曲だが(エクスプローズも録音している)、そのエクスプローズはシングルB面曲「Camera, Camera」と当時未発表だった「Take A Chance」、おそらく準備されながらZOOか...

OMNIBUS a Go Go Vol.73『CONCERT FOR THE PEOPLE OF KAMPUCHEA』

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1979年12月26日~29日にロンドンのハマースミス・オデオンでおこなわれた、カンボジア難民を救済するためのチャリティ・コンサートの模様を収録したライブ・アルバムで1981年3月にアトランティックからアナログ2枚組でリリースされた。2012年11月現在でCD化はされていない。 このコンサートの出演者は、 12月26日:クイーン 12月27日:イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズ、マトゥンビ、クラッシュ 12月28日:プリテンダーズ、スペシャルズ、ザ・フー 12月29日:エルビス・コステロ&ジ・アトラクションズ、ロックパイル、ウィングス、ロッケストラ だったが、マトゥンビの演奏はアルバムに収録されていない。他は各組1~4曲を収録。 最終日のロックパイルにはロバート・プラントが、ロッケストラにはプラントの他、ジョン・ボーナムとジョン・ポール・ジョーンズがゼップから参加した。 パンク/ニュー・ウェーブに嵌っていた当時は、オールド・ウェイブ勢のクイーンやウイングス、フーといった音源には全然興味なし(とはいうもののパンクを聴く前はクイーンもフーも聴いてた)、最初クラッシュ目当てでこのアルバムを手に取って(誰かから借りたと思う)「Armagideon Time」1曲のみというのは寂しかったものの、その選曲や演奏には満足した覚えがある。トッパーの繊細なドラム・ワーク、ミッキー・ギャラガーのキーボードも素晴らしい。 他にはオリジナル・メンバーでのプリテンダーズの3曲 「The Wait」、「Precious」、「Tattooed Love Boys」がどれも勢いがあって気に入ってたかな。その頃あまりなじみの無かったイアン・デューリー「Hit Me With Your Rhythem Stick」や、コステロ「The Imposter」、スペシャルズ「Monkey Man」なんかに興味を持って聴いたような気がする。ロックパイルは「Crawling From The Wreckage」と、もう1曲ロバート・プラントをゲスト・ボーカルに迎えた「Little Sister」を収録。プラントがエンディングをトチったのはご愛嬌。 自分であらためて購入したのはザ・フーに入れ込んでた頃(1990年代の中頃と思うんだけど)で、アナログA面全部を占めていたのが気になり中古で購入。「Baba O...

OMNIBUS a Go Go Vol.72『DANCE CRAZE THE BEST OF BRITISH SKA…LIVE!』

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1981年2月に2トーン・レコードからリリースされたライブ・オムニバスで、イギリスのネオ・スカ・シーンを追った同名ドキュメンタリー映画のサウンド・トラック・アルバム。 パンク後のイギリスでは様々なシーンが現れたがネオ・スカ(スカ・リヴァイヴァル)もそのひとつ。スピードは速く、オリジナル・スカよりもエッジーなアレンジ、メッセージ性もありつつ、ユーモラスでエンターテイメント性もある。もちろんこのアルバムのタイトルどおりダンス音楽でもある。 2トーン生みの親、ジェリー・ダマーズ率いるスペシャルズはパンキーな「Concrete Jungle」、 スリリングな「Man At C&A」、「Nite Club」の3曲。スリムでシャープな演奏を聴かせてくれる。バーミンガムからのザ・ビート(アメリカに同名のバンドがあることからイングリッシュ・ビートとも記載される)は、「Mirror In The Bathroom」、「Big Shot」、「Ranking Full Stop」の3曲。デイヴ・ウェイクリングとランキン・ロジャーのツイン・ボーカル、コーラスが魅力。演奏力も高い。スキン・ヘッドで巨漢のボーカリスト、ブラッド・ヴェッセルがフロントマンのバッド・マナーズは「Lip Up Fatty」、「Inner London Violence」のエネルギッシュながら軽快なダンス・ナンバー2曲。 女性ボーカリストのポーリン・ブラック擁するセレクターは「Three Minute Hero」、「Missing Words」、「Too Much Pressure」。 スペシャルズにも通じるシャープなサウンドとポーリンの響きの良いボーカルが魅力だ。女性7人組のボディ・スナッチャーズは映画では数曲フューチャーされていたと思うが、「Easy Life」1曲のみ。コーラスもキュートなナンバー。2枚のシングルリリースで解散してしまうが、ボーカリストのローダ・デイカーはスペシャルAKAへ、他のメンバーはベル・スターズを結成する。 ポップでタイトな演奏を聴かせてくれるマッドネスは「Razor Blade Alley」、「One Step Beyond」、「Night Boat To Cairo」が収録されていたが、1990年のCD化の際(右上のジャケ写はCD版)には契約の関係で収録されず、替わりにスペシャ...

OMNIBUS a Go Go Vol.71『THEE LONDON R&B SESSIONS LIVE AT THE HOPE & ANCHOR』

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ロンドンのパブ、ホープ&アンカーでライブ録音されたオムニバスの第二弾といってもよいだろう。『フロント・ロウ・フェスティバル』と同じアルビオンから1980年にリリースされた(録音は1979年11月~12月)。 やはりなんといってもルー・ルイス。ルイスのハープとリック・テイラーのギターがブルース・フィーリングもたっぷりのロックンロールになったリトル・ウォルターのカバー「You'd Better Watch Yourself」と、元はホーン主体のアレンジをギターに置き換えゴリゴリのロックンロールになったジュニア・ウォーカーのカバー「Shake And Finger Pop」の2曲。ルー・ルイスは他のアルバムやシングルの音源も良いがこのオムニバスの2曲は特に好き。 ボギー・ボーイズはアイルランドのバンド。個人的にはジョージ・サラグッドで馴染みのあるエルモア・ジェイムスのカバー「Madison Blues」だが、弾きまくりのスライド・ギターはこちらも負けてない。かっこいい。もう1曲はこちらもスライドで攻めまくるチャック・ベリーの「You Can't Catch Me」。 ウィルコ・ジョンソンズ・ソリッド・センダースはスクリーミン・ジェイ・ホーキンスのカバー「The Whammy」で もともとストレンジな曲だが、更にマッドなボーカルとエキセントリックなブルース・ギタープレイが楽しめる。最高。レッド・ビーンズ・アンド・ライスは「Finger In My Eye」、「Pucker Up Buttercup」の2曲。サックスも効いたパブ・ロック。 アンタッチャブルズは有名なスカ系バンドとは別で、マディ・ウォーターズ「I Can't Be Satisfied」カバーを軽快にキメてくれる。カウント・ビショップスの初代シンガー、マイク・スペンサー率いるカンニバルズはストーンズ・ライクな「Just For Fun」、ボーカルがデイヴ・タイスに代わったビショップズは「Taste And Try」でサヴォイ・ブラウンのカバー。ジョニー・ギターの弾きまくりソロも聴きものだ。 『フロント・ロウ・フェスティバル』にも参加していたパイレーツはジョニー・バーネット「Tear It Up」のドライヴィン・カバーとオーディエンスと1体になった演奏の「All In It Together...

OMNIBUS a Go Go Vol.70『MODS MAYDAY '79 (re-released 2002)』

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2002年にキャスル/サンクチュアリからリリースされ2枚組みになった'79年5月・ブリッジ・ハウス “モッズ・メイデイ” の続々編。 1979年リリース版では3曲のみ(もちろん最強モッド・ナンバー3曲だった訳だが)、1996年リリース続編では収録されていなかったシークレット・アフェアのライブが追加収録されている。注目はテンプテーションズのカバー「Get Ready」で、タイトなリズムにギターのカッティングとペイジのボーカルがクールでかっこいい。スタジオ録音としては残されていない曲だ。 ファースト・アルバムにも収録されるスモーキー・ロビンソン&ミラクルズのカバー「Going To A Go Go」のライブバージョンもエキサイティングで、マートン・パーカスの「Tears of A Clown」と並ぶ名ネオ・モッド・カバーと思う。 ファースト・アルバム収録となる「Days of Change」、「Glory Boys」、「Shake And Shout」、「Don't Look Down」や、セカンド・シングルのB面曲になる「Sorry Wrong Number」、セカンド・アルバムからのシングル・カットとなる「My World」が次々と演奏される。もちろんスタジオ・バージョンのリリースは後の事だ。「Time For Action」と「Let Your Heart Dance」の2曲はアンコール演奏分も追加されてシークレット・アフェアは13曲となり、他のバンドは前2枚に収録済みの楽曲だが、バンドごとに並べ替えられ6グループ全39曲入りとなった。

OMNIBUS a Go Go Vol.69『MODS MAYDAY 2 MODNIGHT AT THE BRIDGE』

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1996年にレシーバーからリリースされた'79年5月・ブリッジ・ハウス“モッズ・メイデイ”の続編。ベガーズ・バンケットとの契約により前作には収録が見送られたマートン・パーカスが収録されている。 後にポール・ウェラーとスタイル・カウンシルを結成するキーボード・プレーヤーのミック・タルボットが在籍していたマートン・パーカス。ボーカリストでギタリストのダニー・タルボットはミックの兄弟だ。スモーキー・ロビンソン&ミラクルズの名モッド・カバー「Tears of A Clown」ではじまり、たたみかけるように続く「When Will It Be」、セカンド・シングルの「Plastic Smile」、ファースト・シングルB面曲「I Don't Want To Know You」、“オイ!”の掛け声で始まる「Silent People」、途中で“David Watts”も飛びだす「Tell Me What I Say」で盛り上がりの全6曲収録。 マートン・パーカスの他は前作にも収録されていたスクワイア、スモール・アワーズ、ベガーの3バンドで、スクワイアはジャム度が高い「It's A Mod Mod World」、コーラスが気持ちいい「The Face of Youth Today」、フー・ライクな「I've Got You On My Mind」の3曲。スモール・アワーズは「Underground」、「The Mess」の2曲のビート・ナンバーと哀愁のソウル・ナンバー「Can't Do Without You」(名曲!)、 続く「By The Light」は前作収録の「End of The Night」のタイトルを変えただけで、この曲のみが前作とダブり。ベガーはパワフルな「Friday Night」と、唐突に演奏が終る「Doing Alright As I Am」。このアルバムの終り方もなにか短い期間を駆け抜けた当時のモッズ・シーンを象徴しているような…。 イギリスの1990年代中頃にはブラーやオーシャン・カラー・シーンといったバンドが活躍、スモール・フェイセスの再評価も高まって新たなモッド・リバイバルといわれていた頃で、モッズ・メイデイ続編アルバムもそのあたりの時流を理由にリリースされたのだろうが、シングルやアルバムのリリースがそれほど多く...

OMNIBUS a Go Go Vol.68『MODS MAYDAY '79』

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1979年にリリースされたモッド・リバイバル(ネオ・モッズ)バンドのライブ・コンピレーション。録音はロンドンのパブ、ブリッジ・ハウスで1979年5月7日(MAYDAY)におこなわれたイベントの模様を収録している。 イギリスに於ける1970年代末のモッド・リバイバルには、ザ・ジャムが大きく影響しているといってよいだろう。セックス・ピストルズ、クラッシュといった極初期のパンク・バンドに影響を受けたジャム(というかポール・ウェラー)は、1960年代のビートグループやモータウン/R&B/ソウルにパンクの加速力を加えた、そのビート・モダニズムをアルバム『ALL MOD CONS』(1978年)で完成させ、続く『SETTING SONS』(1979年)で更なる高みに到達した。 ジャムはその後、ややサイケデリックに寄り、ファンクやソウル色を強めていくのだが、このライブ・オムニバスに収められているバンド群は当然時期的にジャムのデビューから79年頃までの特徴である 性急なビート、手数の多いドラムス、掻きむしりギター、ポップなメロディ・ラインにハーモニーまたはダブルボーカルというサウンドから強い影響を受けていると思う。 パワーポップ・バンド、ニュー・ハーツからモッド・リバイバリストとなったイアン・ペイジ率いるシークレット・アフェアは、後にスタジオ録音され自らのレーベル、I-Spyからシングルとしてリリースされるモッド・アンセム「Time For Action」、これもシングル曲となるブギ・ナンバー「Let Your Heart Dance」、アレンジは全然違うがニュー・ハーツ時代に作られていた「I'm Not Free(But Cheap)」の3曲。どれもシークレット・アフェアの代表曲で引き締まったサウンドが魅力だ。 ベガーはウィルコ・ジョンソンばりのカッティングギターの「Broadway Show」やハープが活躍する「All Night」、ネオ・モッド・サウンド全開の「Don't Throw Your Life Away」の3曲。スモール・アワーズはキャロル・アイザックスのオルガンが特徴で「Hanging In The Balance」、後にEPに収録される「Midnight To Six」と名曲「End of The Night」の3曲。 後にI-Spyから...

初音ミク『ミク★パンク創世編』クロスフェード

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   初音ミクというのは以前NHKの土曜の番組『週刊ニュース深読み』で特集されていたのを見たくらいで縁遠いのだが、これはどうなんだろうか。2012年10月24日にリリースされる初音ミク『ミク★パンク創世編』。発売はビクターより。 収録されているのは、サンハウス、ルースターズ、モッズ、INU、スターリン、じゃがたら、ARB、シナロケ、ゼルダ、ブルーハーツ、ラフィンノーズ、フリクション、頭脳警察、ボルシーという吉田豪により選ばれた強力なバンド達のカバー・バージョン。 選曲に関してはいろいろ意見もあろうかと思うけど、無機質な女性ボーカロイドの声で歌われると妙な哀愁感(?) があるような気がする。じゃがたら「裸の王様」、フリクション「Crazy Dream」、INU「気い狂て」、ARB「魂こがして」なんかは面白そう。一番の目玉は菊とのデュエット「レモンティー」か。ボルシー「ノスタルジック・ボーイ」やアナーキー「タレント・ロボット」の選曲もよい。

OMNIBUS a Go Go Vol.67『SUBTERRANEAN MODERN』

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ラルフ・レコードより1979年8月にリリースされたオムニバス。1979年当時、地下における最新の蠢き(New Wave/Post Punk)を記録したタイトルでもある。 クローム、MX-80サウンド、タキシードムーン、そしてラルフの創始者でもあるレジデンツというサンフランシスコゆかりの4バンドが参加している。その為か「I Left My Heart In San Francisco」(邦題:想い出のサンフランシスコ/霧のサンフランシスコともいう) が各バンド共通課題のカバー曲として収録されているのだが、クロームは実にあっさり、バッサリ渦巻く電子音と共に30秒程で片付け、MX-80サウンドは前衛的なリズムに“サンフランシスコ”のメロディをのせたギター・インストに調理、レジデンツは不気味なバックトラックに“I left my heart in San Francisco!”が繰り返されるストレンジな仕上がり、タキシードムーンは電話の会話にハーモニカ(?)による“サンフランシスコ”のメロディが物悲しく被さる、という工夫されたトラックに加工、とそれぞれ一筋縄ではいかない出来上がりだ。 クローム目当てで手に取ったのだが、目玉・シルクハット・燕尾服のルックスは知っていてもなかなか聴く機会の無かったレジデンツの エレクトロニックでアヴァンギャルドでユニークな楽曲(オリジナル曲の2曲ではギターでフレッド・フリスがゲスト参加している)や、サイケデリック・ロックとニュー・ウェイヴの合体したようなMX-80サウンドはこのオムニバスで初めて聴いたし、タキシードムーンもエレクトロニックかつノイジーかつダークで魅力ある演奏を聴かせてくれる。クロームは特に性急なビート感に満ちた「Meet You In The Subway」が素晴らしい。もう1曲は「Antifade」。 ジャケットはゲイリー・パンターによるもので、このイラストも購入欲をそそられた。CD化はされていないようだが、このジャケはアナログを薦めたい。

OMNIBUS a Go Go Vol.66『A FACTORY SAMPLE』

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設立されたばかりのファクトリー・レコードから1978年12月(1979年1月という説もあり)にリリースされた。33回転のアナログ・7インチ2枚組でプレス数は5,000枚だった。 ジャケット・デザインはピーター・サヴィルでヒート・シール・プラスチック(薄いビニール・コーティングのような)仕様の見開きジャケット。 5枚のステッカーが付属していた。 4組のアーティストが1面ずつに収録されている。 マンチェスターのグラナダ・テレビで音楽番組のホスト等をしていたトニー・ウィルソン、 DJで後にジョイ・ディヴィジョンのマネージャーとなるロブ・グレットン、 ア・サーティン・レシオのマネージャーのアラン・エラスマス、 バズコックスやスローター・アンド・ザ・ドッグス等のシングルをプロデュースしていた、マーティン“ゼロ”ハネット、 デザインをさせて欲しいとウィルソンを訪ねてきた若きデザイナー、ピーター・サヴィル、 この5人によってマンチェスターのラッセル・クラブに“ファクトリー”を1978年5月にオープン。 ウィルソンとエラスムスが共同マネージャとなっていたドゥルッティ・コラムが最初にギグをおこなった。 エニグマからシングルをリリース(1978年6月)後、地元マンチェスターのファクトリーと契約したジョイ・ディヴィジョンは 後のニュー・ウェイブ・サウンドのベーシックとなるようなサウンドを持った「Digital」と、より音響的な「Glass」の2曲を収録。 ワルシャワ時代の直線的なイメージから奥行き/陰影を持ったサウンドへの変化が感じ取れる。 スペイン内戦時にカタロニア出身のアナキストが率いた小隊の名前からグループ名をとったドゥルッティ・コラムは、 まだバンドスタイルでヴィニ・ライリーのギターの他、コリン・シャープ(Vo)、フィル・レインフォード(Vo)、 スティーブン・ホプキンス(Key)、デイヴ・ロウボザム(G)、 後にシンプリー・レッドに参加するクリス・ジョイス(Dr)とトニー・バウワース(B)がクレジットされている。 レゲエ・スタイルのリズムとヴィニの様々なサウンドを奏でるエッジーなギターのマッチングが素晴らしい「No Communication」、 語り調のボーカルとディレイ・ギターが断片的なリズムにのる「Thin Ice(Detail)」の2曲を収録。 コメディアンでもあるジョ...

OMNIBUS a Go Go Vol.65『NO NEW YORK』

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ノーウェイブと呼ばれたニューヨークの音楽シーンからピックアップされた4つのバンドを収録したオムニバス・アルバム。1978年アンティルス・レコードからリリースされた。 1978年4月の終わり、ブライアン・イーノはトーキング・ヘッズのセカンドアルバムをマスターする為ニューヨークを訪れていた。そこでDNAのアート・リンゼイと知り合っている。“キッチン” でセオレティカル・ガールズのライブを見たり、5月2日から5月6日迄 “アーティスト・スペース” でおこなわれたイベントに顔を出していた。 そのイベントには下記の各日2バンドずつが出演している。 5月2日...コミュニスツ、ターミナル 5月3日...ガイナコロジスツ、セオレティカル・ガールズ 5月4日...デイリー・ライフ、トーン・デス 5月5日...コントーションズ、DNA 5月6日...マーズ、ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークス イーノはこれらのバンドを見て “イギリスのパンクとは違ってアートを意識していて、ファイン・アートの伝統とつながる素晴らしいシーンだ” と思い、しかしそれは “短い間にパーッと明るく燃えて消えていく火のように思えた” ことからドキュメントとして記録したいと考えた。 コントーションズ、DNA、マーズ、ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークスのメンバーが集められ、MUDD CLUBの創設者スティーヴ・マスのアパートでミーティングが開かれた。セオレティカル・ガールズも招待されていたが参加していない。そこで話されたのは4バンド4枚では無く、4バンドで1枚のアルバム、今ニューヨークで “何がおこっているか、のある種のカタログを作る” という計画だった。計画は動き出し1978年6月ビッグ・アップル・スタジオでレコーディングは予算の関係もあり1バンド1晩というハイペースで進められた。時間の制約もありイーノはあくまでドキュメントという側面に重きを置いたプロデュースで、それぞれのバンドの音に関与、サゼッションはほとんどおこなわなかったという。バンド側にはそれが安易な制作とも思われ不満に感じる面もあったようだ。 アルバムのトップはジェームス・チャンス・アンド・ザ・コントーションズ。ジェームスの怒気を孕んだボーカルにフリーキーなサックス、バックに鳴り続けるオルガン、それに独特の響きを生むパット・プ...